台風22号が通過後、八丈島は停電になりました。
いつもおせわになっている八丈島の峯本電気様の社長さんは、

電気があれば何でもできる!
とお酒の席ではいつもこの言葉で締めていますが、停電の期間中ずっと

全くそのとおり・・・
と思い続けました。

今日は、「被災中の停電とポータブル電源について」と題してのお話です。
私の生活は想像以上に電気の恩恵を受けていました
2025年10月9日の朝、電気は完全に止まりました。部屋の空気を循環させるサーキュレーターが止まりました。
「停電=冷蔵庫」と最初に考えました。しかし、私の思考は単純すぎでした。
私の生活は電気によって様々な面で支えられていました。
水道
停電になった後、まず、台所へ行きました。

もしかして・・・
断水になっていました。当然トイレの水も止まりました。
私の家はポンプで一度水を上に汲み上げます。そして、下に落ちてきた水を飲水や生活用水に使うような仕組みになっています。
水道と電気は密接に繋がっていました。
空調
当たり前ですが、エアコン、除湿機、サーキュレーターも止まりました。外はまだ危険ですので、蒸し暑い部屋の中で過ごすことになりました。
当初あまり気にかけていませんでしたが、この生活は通電するまで続くことになります。時間が経つにつれて、体がベトベトになっていきました。
それでも、雨風をしのげていますので、被災後の大変さは私はとても軽い方でした。
冷蔵庫
最初に心配した冷蔵庫は意外と頑張っていました。ドアを開けなければ比較的冷えていました。
中が詰まっているほどそれぞれが保冷剤の働きをし、低温を維持していました。一つ学びが増えました。
しかし、電気無しで持つのは2日くらいまででした。
携帯の電波
電波は止まりました。
私はテザリングでネットをしています。ご近所の方とお話しましたところ、停電で光回線も止まったそうです。
八丈島で何が起きているのか、被災状況、救援や復興活動などは通電まで全く分からなくなりました。
防災無線受信機
防災無線はこの状況で活躍しました。全てから遮断されている世界の唯一の人の声でした。
しかし、情報は日を追って増しました。メッセージが多いということはそれだけ受信機の電気を使うことになります。
停電後、電源が単3乾電池4本に切り替わった受信機は、2日で使えなくなりました。
受信機は低価格と機能のバランスで作られています。単3乾電池は入手しやすさも考慮しての選択だと思います。
ただ、被災時に単3電池を容易に入手できたかと言いますと、難しかったです。私はカメラのフラッシュの電池を外し、受信機用に使いまわしました。

ポータブル電源
電気が無い状況下で、自身ができることは何かを考えていました。
防災無線は八丈町公式の情報は流れますが、八丈島では一般の方々が発信する生きた情報はXから流れてきます。
携帯は動かすべきだと思いました。

家にあるのはモバイルバッテリーが2個、そして、ポータブル電源が1つです。
最近では、かなりの方がモバイルバッテリーを持っているのではないでしょうか?多くの機種は携帯を2回くらい充電ができるはずです。
ただ、停電期間が長かったため、モバイルバッテリーは思いの外早く空になりました。

ポータブル電源とは、レジャー用で使われるあのごっつい形のバッテリーです。JackeryやAnkerなどのメーカーが有名です。
値段もそれなりにしますので、手を出しづらい方も多いでしょう。
私は被災する前に野鳥の無人撮影をしていました。撮影機材の電源用としてポータブル電源を購入していました。
私が持っているのは、Anker製のSOLIX C300 Portable Power Stationです。Amazonの安売りの時に手に入れました。

携帯の充電用としての用途
ポータブル電源を携帯の充電に使いました。
携帯は一度もオフにせず、バッテリーが空になりましたらすぐに充電の繰り返しをしました。
充電したのはiPhone 15を1台。2日半の使用で、ポータブル電源の蓄電率は100%から70%くらいまで下がりました。
これ1台で1週間は余裕で携帯の電源を賄えることになります。

充電式懐中電灯の充電用としての用途
最近の懐中電灯はLED式のものが多いです。少ない電力で明るさが得られます。
ちょうど夜間のフィールド調査用にLED式の懐中電灯を購入していました。充電後の蓄電率の減少は、携帯よりは少なかったです。
このような省電力の懐中電灯でしたら、ポータブル電源を充電用として使っても大丈夫です。

リチャージブルバッテリーの充電用としての用途
ACコンセントがあることからエネループなどのリチャージブルバッテリーも充電器があれば充電できます。受信機のアルカリ単3電池が空になったら、エネループの単3電池をつかうつもりでした。

パソコンなどの充電用として用途
このポータブル電源にはACコンセントも付いており、試しにサーキュレーターやパソコンを接続しました。
動かせることは動かせますが、蓄電率は一気に下がりました。このクラスのポータブル電源では不適でした。
被災時で優先順位の一番は携帯です。電気は貴重ですので、他の用途には使ってはいけないと思いました。

補足です。
台風22号と23号の間に一瞬停電が回復しました。
すぐにポータブル電源をAC100Vのコンセントに接続し充電しました。蓄電率は、1時間足らずで70%から100%に回復しました。
今日は、「被災中の停電とポータブル電源について」と題してのお話でした。
電気がいかに私の生活を支えていたかが分かりました。
停電は、水道、空調、冷蔵庫、携帯、そして、防災無線などに影響を与えました。峯本電気様の社長さんは、

電気があれば何でもできる!
とおっしゃっていますが、全くそのとおりだと思いました。
ポータブル電源の使い勝手について記載しました。
災害時では充電する機器には優先順位があります。
私が使っているAnker製のSOLIX C300 Portable Power Stationは携帯充電一択です。携帯を対象としては蓄電量が多いため、1台で1週間は余裕で携帯の電源を賄えることが分かりました。
他にできること、充電しない方が良い物を紹介しました。
同じクラスのポータブル電源の購入の参考になれば幸いです。