私は野鳥を撮影するために焦点距離600 mm F4と400 mm F5.6の超望遠レンズを使っています。重さは前者が3,920 g、後者が1,250 gです。

どちらも手持ちで撮影することが多いです
以前、お客様をご案内した時の話です。お客様は焦点距離400 mmのズームレンズを使用されていました。

600 mmの方が良くないですか?

年をとってくると600 mmは重いんですよ
現在、私は骨折した左足首を回復させるために毎日歩いています。そこで気づいたことは、全身の筋力が予想以上に落ちていたことです。
私が60~70歳になったら、今の私のように筋力が少なくなった体になるのかも知れません。お客様の言葉を思い出されました。
そこで、将来のことを考えて、今の体で焦点距離400 mmの超望遠レンズ縛りで色々撮影してみました。
今日は、「60~70歳になったら野鳥写真は焦点距離400 mmの超望遠レンズだけでも良いかも知れません」と題してのお話です。
焦点距離400 mmの超望遠レンズについて
現在、焦点距離400 mmの超望遠レンズといいますと、ライトバズーカとよばれているズームレンズが主流です。重さは1 kgちょっとです。
コンパクトで取り回しが良いし、最近のレンズはミラーレスカメラに対応していますので、解像度も高いです。

人気な理由が分かりますね
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私はライトバズーカはではなく、1993年に発売された古いEF400mm F5.6L USMを使っています。これでどんな写真が撮れるかを挑戦してみました。
今回の記事で掲載されている写真は、参考にしやすくするために、全てトリミング無し、RAWで撮影し、Adobe Lightroom Classicで現像しています。
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逆光条件のダンチク
散策していますと目の前に水滴のついたダンチクが傾いていました。
私は逆光条件の写真をあまり撮りません。キラキラで被写体を誤魔化しているような気がしますし、EF400mm F5.6L USMが古いレンズなので逆光になりますとハレーションで写真が白っぽくなるからです。
それでも一応撮影。
玉ボケいっぱいの綺麗な写真になりました。画面全体が薄っすらと白っぽくなっているのはハレーションです。

こういう写真も普通に撮れるということで(笑)

2色のクモの巣
撮影前日は雨。朝になりますと晴れていました。
目の前には朝日を浴びたたくさんの作りかけのクモの巣が見られました。
その中で変な色のクモの巣がありました。

奥半分は緑色、手前半分は紫色です
クモの巣には平行で光が当たっているのですが、クモの巣が弛んでいることとクモの糸についた水滴の影響で天然のプリズム現象が起きていました。
超望遠レンズですので背景は完全にぼかし、2色のクモの巣を浮き上がらせて撮影できました。

なわばりを見張るモズ
モズはなわばり意識が強い野鳥です。常に高いところに止まりなわばりを見張っています。

あっ・・・
見ているな
モズの警戒範囲にこれ以上は近づけません。写真にしますと小さく写るのですが、これもモズの自然の姿です。
モズが生きているそのままの様子を撮影しました。

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
チュウサギの飛翔
私はチュウサギの行動を観察しています。観察できた場所も記録しています。
そうしますと、なぜこの場所にいるかの理由が分かってきます。
焦点距離400 mmのレンズを持っている時は、散策が主です。ただ、たまにですが、野鳥が近くに来てくれることもあります。
チュウサギが私に向かって飛んできました。EOS R3ならばどこまでもピントを合わせられるのですが、使っているのは古いEOS 7D Mark II。
しかし、シャッターチャンスです。機材には不安がありますが、あるものでやるしかありません。
オートフォーカスとマニュアルフォーカスを組み合わせて撮影しました。
背景も写っていますので、チュウサギが生息する雰囲気も撮影できたと思います。

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
シチトウメジロとニホンイタチのアップ写真の撮影
焦点距離400 mmのレンズですと、動かないものはアップで簡単に撮れます。一方、動く動物は難しいですよね。
通常は、上述の2枚のように引きの写真になります。
では、アップの写真は全く撮れないのかといいますと、そうでもありません。
出現場所のデータを予め集めればシチトウメジロもニホンイタチもアップで撮影できます。
古いEF400mm F5.6L USMでも、被写体との距離が10 m以内になりますと解像度が急激に上がります。

それなりに撮れていますよね

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
今日は、「60~70歳になったら野鳥写真は焦点距離400 mmの超望遠レンズだけでも良いかも知れません」と題してのお話でした。
将来を見越して焦点距離400 mmのレンズ縛りで散策し、撮影してみました。
ダンチク、クモの巣など動かないもの、通常のモズやチュウサギの姿、出現場所のデータを予め集めればシチトウメジロやニホンイタチもアップで撮影できます。
軽量の焦点距離400 mmのレンズとAPS-Cサイズのセンサーのカメラを組み合わで撮影し、Adobe LightroomでRAW現像すれば、600 mmのレンズが無くても大丈夫そうですね。
人は誰でも年をとります。筋力の関係で重い超望遠レンズが持てなくなり、私は野鳥写真が撮れなくなるが心配でした。
でも、工夫次第で、今回のように焦点距離400 mmのレンズでもそれなりに撮影できます。

60~70歳になっても野鳥写真を撮り続けられそうですね
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