今日は気温5℃。そして、寒いだけでなく曇り、雨、雪と天気が目まぐるしく変わりました。
寒くても、屋外と屋内で私にはやらなければならない仕事があります。
今日は、「東京都八丈島の光るキノコの培地のお話」と題してのお話です。
光るキノコの培地は1年中作っています
シイタケなどの食用のキノコは、培地(菌床)へ種菌を植菌して、培養して傘が開いた子実体を収穫します。初期の頃は、木に植え付けていたのを、より効率的に培養するために、培地を試行錯誤で改良したものが、現在のものです。
実は、同じようなことは、光るキノコ(ヤコウタケ)でも行われています。そして、八丈島産の培地は、現在は私がすべて作っています。
ヤコウタケの菌の扱いは厳密
私の研究歴を調べれば分かることですが、専門の中に分子生物学が含まれています。その操作の中には、菌を扱う操作も含まれています。
30年間プロの研究者として、純菌を扱い、操作してきました。現在は、その知識を注ぎ込み、操作を最高のレベルまで高めています。
屋外の丸のこの作業も、屋内と同じくらい大切
光るキノコの培地の質は、改良を重ね、かなり高いレベルまで引き上げました。しかし、そこをゴールと考えたら、成長は止まります。
改良できる点は、まだあるはずです
クリーンベンチの前で踏ん反りかえっていたら、前進はしません。
培地の材料は手作りです。ですので、定期的に丸のこで作業をしています
まさか、この年になって、丸のこで木を切ることになるとは思っていませんでした。
これは自分の仕事ではない
ということもできました。
丸のこを操作するにはどうすればいいのか、どのような道具が必要か、危険を回避するにはどうすればいいか、全てが新鮮です。
何事も経験です。知らないことを体験することは、とても大切で、新しいアイディアの源です。
光るキノコの培地の改善は、本土の博物館と共同で進められています
先日、培地を発送している本土の博物館から、定期報告を受けました。その中では、光るキノコの子実体の発生の様子、各種の条件が事細かく報告されていました。
この博物館は、今まで、一度も子実体の発生に失敗をしたことがないのですが、常に事細かく記録をつけています。
よく授業で、ノートをつけて下さい
と先生からいわれますね。
あれは何のためでしょうか?
研究者の場合は、百発百中で実験が成功すれば、ノートは必要ありません。うまくいかなかったときにその効果が現れます。
記録は、失敗したときの改善するヒント
ということです。だから、事細かくノートを書くのです。
話は報告にもどります。
博物館の方々の報告では、現在の培地でヤコウタケの子実体を発生させると、野外の生態を完全再現できることが分かりました。
それはそれでいいのですが、博物館側からのリクエストとして、もう少し、見栄えを良くしたいとのことでした。
この方々は、いつも事細かくデータを添えていただいています。それは簡単なことではありません。
一生懸命は一生懸命で返すのが、私の主義です
そんなわけで、現在も、共同で培地の改良実験を続けています。