私が初めて買った図鑑は、財団法人日本野鳥の会、高野伸二著、フィールドガイド日本の野鳥です。高校3年生のとき、バードウォッチングクラブの顧問の先生がもっていましたこの図鑑にあこがれていました。
でも、当時、高校生だった私にはとても高価でした。
大学に入り、大学の生協にこの図鑑がおいてありました。図鑑を買うところから、私の本格的なバードウォッチング歴が始まりました。
それから30年。ぼろぼろになってしまいましたが、今でも手元においている大切な図鑑です。


この図鑑で、スズメから迷鳥まで調べてきました
ネット全盛の時代、たくさんの写真がweb上に掲載されています。そのため、図鑑は衰退してしまいました。
フィールドガイド日本の野鳥で育てられた私にとっては、もちろん、ネットの情報も大切ですが、同じくらい書籍にまとめられた図鑑も大切です。
今日は、「最高級のシダ植物の図鑑、日本産シダ植物標準図鑑を購入しました」と題してのお話です。
シダ植物を学びたくてヘゴの森へ来たお客様の熱意
私に近い周辺の方々は知っていますが、私は金銭では動きません。どれだけの熱意を持っているかで、協力するかしないかを決めています。
ここ八丈島に来島しましたのも、八丈島の科学教育を支援して欲しいと情熱を持って語られたからでした。

これは、研究者時代から一貫して同じ行動ですね
先日、シダ植物を勉強しに、あるお客様が愛知県からわざわざヘゴの森へいらっしゃいました。一歩進むたびに、シダ植物をカメラ撮影し、ノートにメモをとられていました。
その背中を見たとき、

ああ、私もお客様のように一生懸命シダ植物を学ばなければいけない・・・
とお客様の熱意に感動し、自身もその姿勢を学びたいと思いました。
シダ植物の図鑑はいろいろあります
私が八丈島に来た直後、図鑑を制作されている先生と出会う機会がありました。先生は、

ガイドさんのこれまでの研究分野にもいろいろな説があるように、図鑑にも説によって、いろいろな記載があるんですよ

え!?
図鑑の記載は1つではないんですか?
もちろん、私はそのような高いレベルの種の識別能力はありませんが、最初の驚きでした。
ただ、先生曰く、

初心者向け、中級者向けにいろいろな図鑑が出版されていますが、シダ植物でしたら、最後はこれですよ
と指を指したのが学研プラス、海老原淳、日本シダの会著の日本産シダ植物標準図鑑1と2です。
1冊22,000円。2冊で44,000円です。
びっくりするほど高く、痛い出費ですが、中を見て納得しました。大判の図鑑であることから、シダ植物の外観がとても見やすく、胞子嚢群(ソーラス)の形と配置、さらには生息場所まで記載されていました。

一目で特徴が分かるように工夫されていました
もちろん、初心者向けの写真の図鑑も、ネットで入手する情報も、入り口としてはとても大切です。ですが、慣れてきますと、正確に見分けるポイントを知りたくなります。
これらの2冊の図鑑は完璧でした。

きっかけは、お客様のシダ植物を学ぼうという熱意でした。そして、図鑑を制作されている先生のアドバイスに原点回帰しました。
八丈島に来てから5年間遠回りをしましたが、これからは2冊の図鑑とともにシダ植物の識別能力の向上を目指したいと思います。