私は、会社らしい会社に勤めたことがありません。ほとんどは大学で研究をしていました。
その中で、プロの研究者になってからは、研究のレポートを毎月英語で書いていました。そこから、半期レポート、年末レポート、そして投稿論文を書いていました。
今日は、「飲み会中に、仕事の文章の書き方についての質問を受けました」と題してのお話です。
ガイドさんは、本当に博士ですよね・・・?
また、・・・ですか?
ちゃんと博士号は持っていますよ
実は、文章を書くことで悩んでいます
何か良いアドバイスはないですか?
いつも言っていますが、私は勉強が嫌いだし、勉強はできませんでした
それでも意見を聞きたいのであれば、私の考えをお話しします
読み手のことを考えて文章を書く
よく言われていることですね
でも、「読み手のことを考えて文章を書く」ってどういうことか分かりますか?
ちなみに、私は分かりません
え゛〜
無責任すぎ
まあまあ、話を聞いてください
真面目な話、「読み手のことを考えて文章を書く」とはどういうことでしょうか?
人は千差万別です。それならば、文章も千差万別でいいのです。
でも、そう書くと十中八九、
バカにしてるのか?
と上から怒られます(笑)。ちなみに、これは私の経験談です(笑)。
「読み手のことを考えて文章を書く」といわれて、そのような文章をすぐに書ける人は、頭のいい人です。すくなくとも、勉強のできなかった私にはできませんでした。
「読み手のことを考えて文章を書く」は、その分野その分野で認められているフォーマットに当てはめるということ
あくまで、研究の場合ですが、英語での研究のレポートでは1文1文が定型です。そこに実験条件であったり、実験結果からの数字を入れます。
え゛〜
そんなんじゃつまらない文になっちゃうでしょ?
そう、それでいいのです
それぞれの分野では、それぞれの分野での定型な文あるいは文章のやりとりがされています。そして、それらを読む人は四六時中その定型の文を読み慣れていますので、「目」が特化した動きをします。
例えば、小説を読むのが大好きな人は、読むのが速いですが、目はどのように動いているでしょうか?1文1文を指で追うような読み方はしていないですよね。
むしろ、文のグループをひとまとまりとして、素早く、次の文のグループに目を移動させているはずです。
一方、同じ人が、強制的に科学論文を読まさせたらどうなるでしょうか?
今度は、1文1文、目で追うはずです。読む人は、リズムがないので、きっとつまらないと思っていることでしょう。
極端な例を書きましたが、だいたいこんな理由で、読み手が、最初の数行でつまづき、よくわからない文章と最後は言われてしまいます。
仕事の文章をダメ出しされないためにはどうしたらいいのか?
繰り返しになりますが、「読み手のことを考えて文章を書く」といわれて、そのような文章を書ける人は、頭のいい人です。私にはできません。
では、どうすればいいのでしょうか?
最初のステップは、すでにOKが出された前任者ものをコピー&ペーストして、数字の部分を自分のデータに入れ替えることです。そして、機会があるたびに繰り返すことです。
そうしますと、フォーマットの意味、読み手の目の動きが自然と分かるようになります。
そして、フォーマットにおいてもある程度の自由度の存在も気づくはずです。
もちろん、この説明が全ての答えになっているわけではありません
でも、私の場合は、このように考えて、最終的に「読み手のことを考えて文章を書く」と同じゴールにたどり着きました
フォーマット、定型の文は思考停止を思われるかもしれません。しかし、それらが存在し続けるのは、歴史的存在意義があるからです。
ならば、それを利用しない手はありませんよね。
私は、レポートを毎月書きました。そして、3ヶ月、半年、1年と続けていくと、自身が成長していくことに気づきました。
騙されたと思って、上述の練習を続けてみてください。きっと、あなたは、3ヶ月、半年、1年と私と同じような体験をすると思います。
おすすめですよ。