2022年、私の野鳥写真の撮影方法について

動物

私が、野鳥写真用にカメラとレンズを買ったのは今から35年前。野鳥を撮影しはじめてから、34年経ちます。

今は、換算焦点距離1,344 mmのレンズを最長に、840 mm、600 mmのレンズを使っていますが、もともとは300 mmや400 mmのレンズを使っていました。

ですので、今でも焦点距離の短い400 mmのレンズが一番好きです

でも、短いレンズでは、野鳥はなかなか上手く撮影出来ません。では、どうすればいいのか?

私は、これまで色々な工夫をしてきました。


今日は、「2022年、私の野鳥写真の撮影方法について」と題してのお話です。


若いころは、レンズを買うのも大変でした。そもそも、300 mmの超望遠レンズだって、当時は半年間バイトしてやっと買ったものです。

ヘリコイドがとても重く、使いにくかったですが、それでも一枚一枚シャッターを切ることに喜びを感じながら撮影していたのを覚えています。

でも、鳥が目の前の枝に留まってからでは、ピント合わせはとても間に合いません。そこから、私の学びの旅は始まりました。


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データを採る

初めに何をやったかといいますと、安上がりですが、フィールドノートをつけました。

  • 日付と時間
  • どこで
  • どの枝に
  • 太陽の光の状態

私の当時のメインフィールドは岩手県盛岡市の高松の池。1年365日のうち、300日通い、データを取り続けました。

その後、私は研究者の道に進むのですが、振り返りますと当時の活動が研究者への下地を作っていたのかも知れません。


ファインダーの中心に被写体を入れる練習をする

バードウォッチングは、いつも野鳥が見られるわけではありません。ほとんど散歩ですね(笑)。

ひまですので、野鳥が留まりそうな枝を見つけては、カメラを構え、枝をファインダーに入れる練習をしました。

始めは、超望遠レンズですので、肉眼で見ているところと、ファインダーから見えるところは違います。ただ、ひたすら練習しました。

枝を見つけて、カメラを構え、ファインダー内に見ていた枝を入れる・・・

気づいたら、空に飛ぶアマツバメも一発でファインダーに入るようになりました。

アマツバメApus pacificus
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM

野鳥の声を覚える

野鳥が出る場所が分かってきますので、次は声を覚えました。ほとんどの場合は、野鳥を双眼鏡を使い、観察しながら野鳥の声を覚えていきました。

全くの初心者からバードウォッチングを始め、2年で100種類くらいの野鳥の声をすべてフィールドで覚えました。


野鳥の声から方角と距離を予想し、あらかじめピントを合わせる

ここまで来ますと、野鳥が「チッ」と鳴いただけで、自分からの方角と距離が分かるようになりました。

声を聴いた後、ヘリコイドの重いレンズのピントリングをゆっくりと動かし、距離を合わせ、気づいていないふりをして、野鳥が狙った場所に留まったときに、カメラを構えてシャッターを切っていました。

全盛期は、あらかじめピントを決めていましたので、野鳥をファインダーに入れてからピントの調整はほとんどしていませんでしたね。

クロハラアジサシChlidonias hybridus
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM

野鳥を引きつける

大学のサークルの文化祭にOB・OGがいらっしゃいました。当時の私の写真は稚拙でしたが、それでも褒めていただいたことがとても嬉しかったですね。

すごいね

こんな後輩がいるんだ

そんな先輩方々と一緒にメインフィールドを回る機会がありました。人数は5人くらいのグループだったと思います。

エナガの声が聴こえ、近づいてきました。先輩たちは、私よりもずっとバードウォッチングのキャリアが長いです。

すると、エナガの群れは私たちの近くの枝に来て、しばらく留まりました。双眼鏡もいらず、肉眼で十分観察出来ました。

追わなければ、野鳥がすぐ側に来ることがあるのです。そう、これならば、短いレンズでもなんとかなるのです。

目からウロコでしたね

先輩方々から学んだことは、30年近く経ちましたが、今でも大切な技術です


野鳥に学習させる

上記の様々な技術を持って、私は八丈島に来ました。でも、ここで新たなものが加わりました。

それが、「野鳥に学習させる」です。

考えてみれば当たり前のことです。野鳥には脳がありますので、覚えるのです。

追い回せば、「怖い生き物だ」と認識し、飛び去るのは当たり前です。逆に、「ど〜でもいい」と認識させれば、一定の距離は保たなければいけませんが、自然な姿の写真を撮り放題になります。

コチドリCharadrius dubius
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

私の様々な野鳥写真の技術について紹介しました。最後の「野鳥に学習させる」は、今、一番大切にしていますね。

仲良くなる過程が楽しいですし、そのうえ写真まで撮らせていただいたら御の字です。私は、そのような気持ちで野鳥と接しています。

イソヒヨドリMonticola solitarius
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

これ以外にもトレイルカメラを使って画像データを集めたり、ブラインドに入って撮影をしたりもしますね。

八丈島は、私にとって、フィールドの研究室みたいです。突き詰めたらきりがありませんが、様々な技術を組み合わせて、これからも、楽しく、情熱を燃やして野鳥の撮影をしたいと思っています。

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