今回も実機が残っていませんので、文章だけです。
EOS RTは、私が購入した最後のフィルムカメラです。
EOSシリーズはEOS 650など、EOSのあとに3ケタの数字が記載されているのが普通です。ところが、このEOSは、RTというアルファベットの文字が記載されています。
RTはReal Timeの略です。
今のミラーレスカメラユーザーは想像つかないかも知れませんが、当時の一眼レフカメラはすべて光学ファインダーです。ファインダーを覗きながらシャッターを押します。
そうしますと、ミラーが上がって、その間にシャッターのあるフィルム室に光が入り、露光が完了します。
昔のカメラは、このミラーの上がる「ガッシャン」という音が必ずしました。
でも、EOS RTはこの一眼レフ特有のミラーがありませんでした。
半透明のペリクルミラーが搭載されていました。光の一部は光学ファインダーに、残りの大部分はシャッターのあるフィルム室側に同時に進むという、変わったカメラでした。
シャッターレリーズから露光完了するまで0.008秒。最速でした。
このペリクルミラーは、EOS-1N RSで再登場し、レリーズのタイムラグは0.006秒、モータードライブも10コマ/秒の機能に応用されました。
EOS RTも実験機だったのかも知れません。
EOS RTはミラーが無かったため、ミラーアップの必要はありませんでした。シャッター音が他のカメラに比べてとても小さかったです。
そのため、私は中古のEOS RTを購入し、無人撮影用のカメラとして使っていました。
平凡社のプロ・アマ合同の野生動物の生態写真コンテスト、アニマ賞に応募し、雑誌に掲載されたのはいい思い出です。