今日は2025年5月22日。八丈島の上空は灰色の雲に覆われていました。
ときおり、雨が降りました。湿度は1日中100% R. H. でした。

すごい湿度だなぁ・・・
ふと、足元を見ますとキノコが生えていました。
キノコの生育には適温と湿度。今の八丈島の気候はキノコには楽園のようです。

私が八丈島に来る前は研究者でした。例えばアメリカ合衆国のカリフォルニア州は夏季があり、3月末から11月くらいまで真っ青な雲一つ無い快晴が毎日続きました。

天気予報を見なくても、明日の天気は必ず晴れです(笑)
野外フェスという音楽の文化が生まれたのも納得です。雨は絶対に降りませんからね。
私は、ずっと冷暖房完備の研究室の中で生きてきました。水といいますと、飲料水よりは実験に使う脱イオン水や超純水が真っ先に出てきます。
水は、反応実験に使う緩衝液あるいは組み換え菌の培地に繋がります。
ところが、ここ八丈島では、私が見てきた水とは大きく違います。

今日は「八丈島に住みますと水のことをよく考えます」と題してのお話です。
水の多い梅雨時の八丈島では湿度対策が重要
私が八丈島に来たとき、知人から除湿機の購入を勧められました。

またまた~・・・(笑)
島外から来た人は八丈島の梅雨をなめています。いざ、梅雨になりますと家は霧に包まれました。
最初は1台の除湿機も、2台、3台と増えて、サーキュレーターも追加しました。1日除湿機を動かしますと、水がいっぱいになり、自動停止するのは当たり前でした。
気をつけていないと家はカビだらけになりますので、アドバイスしていただいた知人には感謝ですね。
八丈島の地表水と地下水
八丈島は年間3,000 mm以上の雨が降ります。これは日本でもトップクラスです。
本土でしたら地表水をダムあるいは川で集めて利用されますね。
ところが火山活動で出来た八丈島は急斜面です。雨が降りますとあっという間に地表水は急斜面を駆け下り、海まで到達します。
その移動は速すぎますので、水の有効利用は出来ません。
でも、八丈島の火山活動という生い立ちから、地表水だけでなく地下水が生まれやすい地形でもあります。
そう、地面の自然のフィルターがかかり、ゆっくりと安定的に水が湧いてきます。
八丈島に住んでいる私たちは極上の水を飲めるわけです。
私が都心に住んでいたころ、多くの人々がペットボトルの水を飲んでいるのに驚かされました。
地下から湧き出る水を直接飲めるなんて、私は、なんて贅沢で特別な経験をしているのかと思います。

写真右下に海に流れ出す地表水が見られます。
八丈島の水の多い世界は、「考えること」を教えてくれます
私は、野鳥は得意ですが、植物はまだまだ勉強中です。天気に関係なく散策してみますと、面白いことに気が付きます。
花はおしべとめしべがあり、他家受粉の場合はおしべの花粉が一度空気中に漂い同種のめしべに受粉しないといけません。このとき、晴れで空気は乾燥している方が良いですよね。
ところが、ここ八丈島は湿度100% R. H. の世界。ベトベトです。
そんな環境にもかかわらず、テリハノイバラは堂々と花を咲かせています。
今の時期、花粉は飛びにくいし、雨で訪花昆虫も来にくいです。一見、受粉は無理そうです。
いろいろ考えていると、答えも想像しますし、その答えを目的を持って観察することで見ることが出来ます。
私は、小さな水の中での反応を研究の世界から見てきました。今は、その外側のさらに外側でも楽しめる不思議がたくさんあることを知りました。

雨の多い八丈島に住むって面白いですよね

EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro
今日は「八丈島に住みますと水のことをよく考えます」と題してのお話でした。
梅雨入りのような感じです。
それにちなんで、八丈島に住んでいて家の中の湿度、雨が降った時の八丈島の地表水と地下水の水の流れ、そして、テリハノイバラの受粉について想像を巡らしていることについてのお話でした。

雨が降っても八丈島は飽きませんね
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