八丈島は太平洋に浮かぶ小さな島です。元々は完全な海で、火山活動による噴火の繰り返しで三原山が形成され、続いて八丈富士が形成されて、最後に両者が繋がりました。
ですので、八丈島の陸地では、冷えて固まった溶岩がいたるところに見られます。
人間から見ますと、この溶岩は凶器です。表面がザラザラなので引っ掛かり易く、足を挫いたり、転べば簡単に怪我をします。
ところが、体の小さな野鳥を観察していますと、小高い溶岩の上で止まっている姿をよく見ます。
今日は、「東京都八丈島の溶岩の上に止まる野鳥たち」と題してのお話です。
タヒバリ
タヒバリは、漢字で「田雲雀」と書きます。水田で良く見かけられ、遠目ではヒバリのように見えるからだと思います。
八丈島では、平地の草むらで良く見られます。それ以外の場所では、溶岩に止まったりします。
八丈島では、タヒバリは冬鳥で群れで訪れます。来島直後は八丈島の地形が良く分からないため、小高い溶岩の上に止まってベストの場所を探す姿を見かけることがあります。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
カシラダカ
確かに、八丈島にもカシラダカは来島します。しかし、簡単に見られるかと言いますと、そうではありません。

私も苦手な野鳥の一種となってしまいました
ただ、地鳴きを聞いていますと、彼らの行動には偏りがあることに気が付きました。
お気に入りの餌場を見つけ待っていますと、期待通りの溶岩に止まりました。
本土では草むらやヨシ原で見られることが多いですが、溶岩+カシラダカは八丈島らしいですね。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ジョウビタキ
2025年の八丈島では、ジョウビタキは長く見られています。羽数はメスの方が多いように見受けられます。
森の木々の枝だけでなく、生け垣や家の屋根にも止まっている姿が確認されます。
お気に入りの場所があるようで、枝と溶岩を行き来していました。
溶岩の上で止まった姿が絵になりましたので、そっと撮影させてもらいました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ホオジロ
八丈島では、ホオジロは繁殖します。秋になりますと、ペアで行動する個体と群れで行動する個体が見られます。

ペアは成鳥、群れは今年生まれた若鳥でしょうか?
繁殖期は昆虫を食べていたホオジロですが、秋になりますと、イネ科植物の実を食べるようになります。
人にとっては凶器の溶岩ですが、ホオジロにとっては足場のしっかりした止まり場所です。
食事をしているホオジロのメスを撮影させてもらいました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
イソヒヨドリ
八丈島では、イソヒヨドリは海沿い、内陸、山中といたるところで見られます。
巣の場所も岩の隙間だけでなく、塀のブロックやドアの隙間、屋根裏に作ることもあり、私たち島民にも身近な野鳥です。
八丈島では、イソヒヨドリのことを、アカコッコの対で「イソコッコ」と呼ばれています。
このイソヒヨドリ、なわばり意識が強い野鳥でもあります。
イソヒヨドリは、いつも決まった場所にいて、侵入してきたタヒバリなどは追い払うこともあります。
私が観察しているなわばりには溶岩の止まり場所があります。
8年間も観察していますと、個体が入れ替わっていることに気が付きます。野生の世界で生きる厳しさ、野鳥の寿命の短さを実感します。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
今日は、「東京都八丈島の溶岩の上に止まる野鳥たち」と題してのお話した。
八丈島は火山島ですので、冷えた溶岩がいたる所で見られます。小高い溶岩を見張り台として利用している、冬鳥のタヒバリ、カシラダカ、ジョウビタキ、留鳥のホオジロ、イソヒヨドリを紹介しました。
PR
