2025年秋、東京都八丈島に住むシチトウメジロの様子

動物

都心から南に290 kmの太平洋に浮かぶ八丈島。南国で一年中温かいと思われるかも知れませんが、一応、春夏秋冬があります。

そして、今は秋。八丈島で継続して野生動物を観察していますと、季節に応じて出現場所が変化することが分かってきます。

何でなんだろう・・・?


今日は、「2025年秋、東京都八丈島に住むシチトウメジロの様子」と題してのお話です。


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シチトウメジロとは

シチトウメジロは伊豆諸島に生息するメジロです。「シチトウメジロ」はメジロの亜種の名前です。

メジロは学名Zosterops japonicus japonicus Temminck & Schlegel, 1845。スズメ目、メジロ科、メジロ属、メジロ(種名)に分類されます。

一方、シチトウメジロは学名Zosterops japonicus stejnegeri Seebohm, 1891。種はメジロで、その下の階級の亜種として分類されます。

フィールドでは、双眼鏡レベルのパッと見ではメジロとシチトウメジロの区別は難しく、写真を撮って拡大しますと、くちばしの形状の違いでようやく見分けられます。

八丈島に来島するバードウォッチャーが見たい野鳥の中の1種ですね

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

秋のシチトウメジロの食事

食欲の秋という言葉をよく聞きますね。これ、野鳥の世界でも見られます。

野鳥との関係を良好にしますと、目の前で食事をしてくれます。


アブラムシを食べるシチトウメジロ

ササがかすかに動きました。今の時期ですと、シチトウメジロ、ホオジロ、アオジ、カシラダカ、稀にミヤマホオジロの可能性があります。

でも、真っ先に考えるのはシチトウメジロの可能性です。じっとしていますと、目の前に現れました。

葉の裏をしばらくの間ツンツンとくちばしで突いていました。雨上がりでしたので水を飲んでいるのかと思いました。

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

ところが、写真を撮って拡大してみたところ、水を飲むためにツンツンしていたのではなく、葉の裏に集まっていたアブラムシを食べていました。

アブラムシの体内には甘露が溜まっています。味は甘いはずです。

でも、アブラムシの体は小さいので食べごたえはないと思います。

非効率だと思うのですが、それでもシチトウメジロが食べたいということはフィールドではそれだけの貴重な甘さなのでしょうか?

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri(拡大写真)
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

ロベの実を食べるシチトウメジロ

八丈島の農産物の一つにロベがあります。お花を包む葉として利用されます。

昔は水田ばかりの八丈島でしたが、減反政策のため現在はロベが植えられていることが多いです。

そのロベ畑にシチトウメジロの声が聴こえました。

何でこんなところに・・・?

と思っていましたら、シチトウメジロの群れがいました。

シチトウメジロのくちばしはとても小さいです。まさかと思っていましたが、この小さな口をガバーっと大きく開けて大きなロベの実を食べていました。

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

シマクサギの実を食べるシチトウメジロ

シマクサギは夏に白い花を咲かせます。そして、季節は夏から秋に流れ、今は実がなる時期です。

2025年の秋は、台風22号、台風23号の影響で、花が咲く時期が少しおかしくなっています。

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シチトウメジロの群れの行動を目で追っていますと、枝から枝へ移りながら、一点に向かっていました。

食べていたのはシマクサギの実でした。

八丈島は多くの昆虫が生息しています。しかし、先ほどのアブラムシのように、秋になりますと、食べごろの大きさの昆虫の数が減少します。

このような状態になりますと、シチトウメジロは昆虫から樹の実に食物を変えます。

シマクサギの実の味は美味しいのでしょうか?

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

ヒサカキの実の成熟を確認するシチトウメジロ

シチトウメジロの食事は秋になりますと動物食から植物食へと変わります。アブラムシから始まり、ロベの実、シマクサギの実と食物の変遷を紹介しました。

野生動物は常に次を考えています。シチトウメジロの次の狙いはヒサカキの実です。

今は11月中旬です。ヒサカキの実の成熟にはもう少し時間が必要です。

シチトウメジロはヒサカキの実を確認後、次の食事場へ移動しました。

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

今日は、「2025年秋、東京都八丈島に住むシチトウメジロの様子」と題してのお話でした。

メジロの亜種としてのシチトウメジロ、シチトウメジロの食物であるアブラムシ、ロベの実、シマクサギの実、次の候補のヒサカキの実を紹介しました。

調べてみてシチトウメジロが身近な野鳥であることを知りました。もう少し経ちますと、次はヤブツバキが花をつけます。

野生動物はこのように途切れなく1年を過ごしていくのですね

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

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