最近、久しぶりに自分が撮影したスライドの写真を見ました。2025年から見ますと劣っていますが、当時は当時で頑張っていました。

そういえば、スライドはデジタル化出来たっけ・・・
以前の私のブログに昔のフィルムをデジタル化するアダプターES-1とES-2を紹介しました。
これを使って昔の写真をスキャンし、30年前の私が撮影した写真を振り返ってみました。
今日は、「久しぶりに30年前に私が撮影した動物・野鳥の写真を見ました」と題してのお話です。
鳥のいる風景
私が本格的に撮影を始めたのは19歳の冬。メインフィールドの高松の池を1年のうち300日通いました。
30年前はAFが全盛期になる前の時代です。すべてのレンズのピントはマニュアルで合わせなくてはいけませんでした。
私の写真機材は、焦点距離300 mmのレンズ+1.4倍テレコンバーターが中心でした。その後、焦点距離500 mmのレンズになりました。
当時は、悪い写真にならないように構図を常に考えていました。このときに培った考え方は今も生きています。

OM-2 SPOT/PROGRAM+Tokina AT-X SD 300mm F2.8 RDP(岩手県盛岡市)
被写体をよく知り、仲良くなり、引き付けて撮影する
私が大学生の頃は雪国にいました。雪が降りますと、フィールドは一面銀世界。

とても美しかったですね
ただ、気温は-7~-17˚C。長時間フィールドにいるためには防寒対策が必要でした。

靴下の上にビニール袋を履くと、けっこう耐えられましたね(笑)
お金が無いなりに防寒を工夫し、動物や野鳥をずっと待っていますと、チャンスというものは意外と来ました。
フィールドではニホンリスが木の枝を伝って駆けていました。
雪国の冬は食糧難です。
ニホンリスは雪の中からクルミを見つけ、そして、私の近くの枝に来ました。画面から尻尾がはみ出すほどの距離。

ピントを手で合わせている時は、とても緊張しました
野生動物である被写体と仲良くなるのはとても大切です。写真から判断して、当時の私も気をつけていたようでした。

OM-2 SPOT/PROGRAM+Tokina AT-X SD 300mm F2.8 RDP(岩手県盛岡市)
メインフィールドを通い続けることで僅かな変化に気づく
2025年の野鳥写真では、焦点距離600 mmが標準レンズです。ですが、私が使っていたのは最長でも500 mm。
ただ、毎日メインフィールドを通い続けることで、旅鳥・渡り鳥が来たのにすぐに気がつくようになりました。
私たちが知らない土地に行ったとき、どこにいるべきかよく分からないですよね。これは、野鳥でも起きます。
野鳥が新たな土地に来たとき、留鳥が止まらない枝に止まることがあります。

自分がどこにいるべきかよく分かっていないんですよね
そして、そんなときに脅かさないように野鳥に接しますと、意外と近くの枝に止まってくれることがありました。
私はその瞬間を拾い上げました。

T90+New FD 500mm F4.5L RDPII(愛知県名古屋市)

T90+New FD 500mm F4.5L RDPII(愛知県名古屋市)
狙った種を徹底的に観察する
実は、私は旅鳥、渡り鳥、珍しい野鳥よりもスズメ、ヒヨドリ、モズなどの留鳥の方が好みです。親の転勤で一箇所にとどまれなかった人生でしたので、同じ場所でいつも会えるのが私にとってはとても魅力的でした。
モズは高い枝に止まって餌を狙う習性があります。それを撮ってみたいと思いました。
ただ、当時のマニュアルのピント合わせでは、今のように瞬間を撮影することは出来ません。
観察、観察、観察・・・
そうしますと、100%ではありませんが、私が観察していたモズは高確率で同じ方向に向くことに気が付きました。
あとは、ブラインドに入ってあらかじめピントを合わせ、シャッターを切りました。

待っていた枝にモズが止まった時は、ドキドキでしたね

T90+New FD 500mm F4.5L RDPII(愛知県名古屋市)
今日は、「久しぶりに30年前に私が撮影した動物・野鳥の写真を見ました」と題してのお話でした。
30年前の私は、機材も技術も今よりもはるかに劣っていました。でも、被写体の観察を大切にして、撮影チャンスを拾っていました。
今は、2025年。機材も技術もずっと良くなりました。
ただ、当時培った考え方は今の私の撮影スタイルの原型になっています。これからも初心を忘れずに、観察と、道具が無い場合は工夫を忘れないようにしたいと思います。
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