私は、バードウォッチングをはじめたとき、枝に留まっている野鳥を双眼鏡の視野に入れるのが難しかったのを覚えています。この問題は、超望遠レンズを使った野鳥の写真撮影でも常にあります。
例えば、アイキャッチの絵のように草原にヒバリがいたとします。肉眼ではヒバリは見えても、いざカメラを構えるとなかなかファインダーにヒバリが入りません。探している間に、気づかれて逃げられてしまいます。
実は、パターン化した草原が背景にあると、レンズがどこを向いているのかわからなくなる現象が起きます。真っ青の青空や凪いだ海でも同じです。
この問題を解決する器具があります。ドットサイト(照準器)といいます。OlympusのEE-1やNikonのDF-M1が有名です。
今日は「鳥はどこ?被写体探しをサポートする照準器 Olympus EE-1」と題してのお話です。
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長所
- 防塵防滴。八丈島には必須です。
- スーパーやコンビニなどで、入手が容易なボタン型電池CR2032を一つ使います。
取り付け方
EE-1は、Olympus製ですが、カメラのボディーのメーカーは選びません。
- EE-1をカメラのホットシュー(ボディーの上部のフラッシュをつけるところです。)につけて使います。
- カメラのファインダーとEE-1との両眼視で撮影したい場合は、エツミの-E-6804やE-6673を利用して左目用の環境を整えます。注意:カメラやレンズの大きさによって合わない場合があります。
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ダイアルの説明
EE-1を閉じた状態で左から見た写真です。
前方にはターゲットマーク明るさ調整ダイアル、後方にはターゲットマーク左右調整ダイアルがあります。反対側にはターゲットマーク上下調整ダイアルがあります。
EE-1を下から見た写真です。
左側が前です。先ほどの三つのダイアルはこのような配置です。
EE-1を後ろから見た写真です。
各ダイアルはこのような配置です。
調整の仕方
- 超望遠レンズのついたカメラを三脚にのせ、遠くの電柱などの目印になるものをファインダーの中心に入れます。
- EE-1を開けた状態にします。
- ターゲットマーク明るさ調整ダイアルを1以上にします(ダイアルは5まであります。)。
- ターゲットマーク左右調整ダイアルとターゲットマーク上下調整ダイアルをつかって、ターゲットマークをファインダーの中心と同じ位置にします。
使い方
- EE-1の調整がうまくいきましたら、EE-1に被写体を入れた後、ファインダーを覗いてみてください。ファインダーの中心に被写体が入っているはずです。被写体を探す時間が大幅に短くなりましたね。これで、撮影の成功率が上がるわけです。
- 背景が青空や凪いだ海の場合、EE-1に被写体を入れた後、カメラのAFボタンを押し、シャッターボタンを押してみてください(AFとシャッターボタンが同じの場合は、シャッターボタンのみ)。ファインダーを覗かなくても、被写体にピントの合った写真が撮れます。私が使っているEOS7D Mark IIの場合、65点自動選択AFを使うとピント合わせが比較的うまくいきます。
照準器は、高速で飛翔したり、ダイブするカワセミの撮影によく利用されています。私の場合ですと、アマツバメの飛翔やザトウクジラの撮影時にとても重宝しています。毎回どこ?って探していたのが嘘のようです。みなさまも照準器で楽に野生動物を撮影してみてください。