2024年6月末から2つの書き物をしています。昨日、60%くらいは終わったと考えていました。
研究分野は1つであってもその中には細分化された領域があります。その中で、私もいくつかは得意なところもありますが、苦手なところもあります。
ただ、苦手だからといって、いい加減に書くことはできません。研究の歴史を積み重ねてこられた先人の研究者の方々に対して失礼だからです。
先日、共著で書いていただいている先生とメールでやり取りをしました。そのときに書き物を最初に依頼されたときのメールを見直し、私の大きな間違えに気づきました。
今日は、「書き上げた書き物を再考しています」と題してのお話です。
私の勘違い
間もなく国際学会が開催されます。アメリカでお世話になった先生、当時の仲間も日本に来ます。たくさんのシンポジウムも開催され、最新の研究のお話を直接うかがえる稀有な機会です。
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研究者を引退して、まさかこのような機会を得られるとは思いませんでした
私も1つのシンポジウムに参加します。シンポジウムは広い範囲の細分化された分野をカバーしていましたので、依頼された書き物はそれをまとめればいいと思っていました。
ところが依頼されたときのメールを見直しますと、私に求められていたのは、1つのシンポジウムではなく、複数のシンポジウムをまとめた大きな研究分野を対象とした書き物であることに気が付きました。
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あっ・・・
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私は、研究者の全力の結晶を書き物で伝えることができるのか?
研究は3-5年全力で進められます。土曜日、日曜日、祝日など関係なく研究室内外で研究を続けないと実験は終わりませんし、人によっては口から血の味を感じ、苦しみながら1行1行草稿を執筆し、論文を雑誌に投稿します。
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読んだ50報すべて論文から、私は研究者の全力を感じ取ることができました。読み終わって研究者の熱意に圧されました。
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私は、研究者の全力の結晶を読者に伝えることができるのだろうか・・・?
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冷静になってもう一度書き物を再考する
私が研究者を引退したのは8年前。現役の研究者と比べて大きなブランクです。
でも、一度引き受けたのですから言い訳はできません。できるだけベストを尽くし、これまで重要な論文を読んできました。
でも、最低でもこれの数倍はやらないと、細分化された他の分野のことも適切に伝えることはできないように思えました。
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論文の読み込みがぜんぜん足りないのです・・・
書き物は、誰かに読んでもらって初めて価値があります。そして、読んで、
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あぁ・・・
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こんな研究があるんだ・・・
と、知的好奇心を刺激できなければ読まれている方々の時間が無駄になってしまいます。「無駄と思われる」は、先人の研究者の方々に対しても失礼なことです。
書き物の60%は終わりと思っていたのは私の単なるおごりでした。今日まで書いて、初めて、私が進まなければならない道が見えただけでした。
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もっと論文を読み込んで、もっと過去の論文に応えられるものにしなければならない・・・
私はようやくスタートラインに立っただけでした。
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今日は、「書き上げた書き物を再考しています」と題してのお話でした。
私自身が勘違いしていたこと、書き物の意味、自分はこれから何をしなければならないかを再考しました。
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楽な方に向かっていましたが、締め切り前に、自分の誤りに気づいて良かったです
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書き物はしばらく続きますね
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