毎日、欠かさず見ていますが、前回の依頼された建物にはアシジロヒラフシアリが来なくなりました。
寂しい限りです
え~
言われたようにやっても、アシジロヒラフシアリが駆除できずに、復活して大変なことになっているんですけれども・・・
「毎日」見ていましたか?
実を言いますと・・・
いっとき駆除できたと思ってから見ていませんでした
気づいたらアリがいっぱい来ていました・・・
今日は、「人 vs アリ ーアシジロヒラフシアリは駆除できる?ー」と題して、人とアリの最終決戦のお話です(笑)
アリはハチ目に分類される訪花昆虫です。大雑把ではありますが、あのミツバチと同じ仲間です。
復習しますと、アシジロヒラフシアリは何もしないとこんな感じに家に来ますよね。
そして、アリ用の殺虫剤あるいは洗剤を薄めた水でスプレーすると、直後はこんな感じになります。
そうそう!
ここまではできました
問題はこの後ですね
私は、1日1回以上は建物の周辺を回り、アリが来ていないかチェックしていました。アリを見かけたらスプレーです。
やり方はわかりました
でも、どうしていなくなったのに、その後も毎日チェックしなければいけないのですか?
駆除できたのだから、別にいいのに・・・
気持ちはとても分かります
面倒くさいですからね
アリが来ているかどうか、毎日チェックする理由をお話しします。
そのまえに質問です
1つの花は一年中咲いていますか?
またまた~
そんなはずないじゃないですか
そうですね。自然の世界では、花は順番に咲いて、順番に枯れていきますね。そして、花の蜜を狙っている訪花昆虫のアリも、それを理解しているような行動をします。
アリは、花が咲いている群生を見つけると、私たちの家へ来るように行列をつくります。おしりからは道しるべフェルモンを出しているからです。
では、最初の最初、アリはどうやって花の群生を見つけるのでしょうか?
携帯で連絡もできないし
ドローンで空撮もできないし
どうしているんだろう?
実は、小グループの探索隊を常に出し続けています。アリの行動をよ~く見ると、2~3頭の小グループが色々な方向に歩いているのが見られます。
今、現在、アリは花の群生から大量の蜜を得られています。しかし、その恩恵は未来永劫は続きません。
それを見越して、アリは次の花の群生を探します。季節が変化した場合でも、花の種類は変わりますね。これも同様な対策をとります。
アシジロヒラフシアリが家に来ないようにするためには、行列を駆除しましたら、この探索隊に気をつけることです。探索隊も、後続の行列のために、道しるべフェロモンを出すことができるからです。
ですので、見つけたらスプレーします。それを継続して行うと、道しるべフェロモンの活性がなくなり、最後は私が毎日見ている建物と同じように、アリは来なくなります。
私たちの家に来なくても、別にアリは困りません
もともと外に住んでいる生き物ですからね
八丈島全体に薬剤を撒けば、もちろん、アシジロヒラフシアリの完全駆除は可能です。
ただ、現在、アシジロヒラフシアリのみに効く薬は無いはずです。実行してしまうと、八丈島における訪花昆虫がすべていなくなってしまいます。
みなさん、野外の花をよ~く見てください
花の中、茎、葉にアリがいますね
アリは、植物に対しては、受粉という重要な役割を果たしています。薬を撒きすぎると、多くの植物から種がとれなくなってしまいます。
アリを含む全ての節足動物の駆除は、やる気になれば技術的に可能です。でも、私は、アリが道しるべフェロモンを落とさないように対応して、人とアリとで住み分けするのが1番いいのではないかと思っています。
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