本業のため、しばらく八丈島を離れることになりました

自由研究

今日は、「本業のため、しばらく八丈島を離れることになりました」と題してのお話です。


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八丈サイエンスクラブでの活動

私が運営してきた八丈サイエンスクラブは、小学生向けの研究専門のプログラムです。塾のように問題集は解きません。

学校で習ったことを使って未知の事象を探求するだけです

答えのないものしか研究しません。ですので、私は、八丈島の自然を観察し、アイディアをいろいろ出し、影で予備実験をし、子供たちが実際に研究出来るかどうかを毎日考えていました。

ですので、メモ帳には気づいたことはいつも書いていましたね

研究者時代とまったく同じことをしていました

こういうことを続けていますと、何かしら成果というものは出てきます。私が教えた子供たちは面白い実験をしましたし、賞も取りました。

彼らの努力を日本だけに留めたくないので、子供たちの研究を来年の国際学会で発表することにしました。


「教育格差」って何?

八丈島の教育レベルは日本一でしょうか?

たいしたことない

よくわからない

色々な回答がありますね。多くは前者を答えるのではないでしょうか?では、教育レベルとは何を見ていますか?

これ、おそらくテストの点数です

テストの点数ならば、「たいしたことない」と言われても言い返すことができないと思います。

ちなみに、私も成績が悪かったです

でも、この年になって実感しますが、「テストの成績が悪くて人生が終わった」と思ったことは一度もありませんでした。

八丈島では様々な人と出会いました。みなさん、口を揃えて

学校の成績が悪かったから・・・

と仰っています。本当のことを言っているのでしょう。でも、話せば分かりますが、みなさん頭が良いです。

これを言い換えますと、「テストの成績は悪かった」ですが、みなさんは「社会(生活)に対する成績は良い」ということになります。

これ、「教育格差」が本当に起きていますか?

たしかに、私は、仕事上「教育格差」という言葉をよく耳にします。その正体は何か分かりませんでしたので、本を読みました。

「人がどう生きるか」を見ずに、「テストの点数」のみを見ていました

教育に関わると言っておきながら、「人の教育」から大きく離れたところからの視点でした。穿った見方をしますと、「教育格差」を情報発信しますと、誰が儲かるかということです。ただそれだけでした。


スポンサーが八丈サイエンスクラブの活動を見ていました

私の八丈サイエンスクラブでは、いくつかのルールを決めています。

  • 危ないことはしない
  • 研究にお金はできるだけ使わない
  • 自分の困難な壁から逃げない
  • できることは全力で行う
  • それぞれ仲間の長所を尊重し、活かす
  • 人の弱点は突かない

あとは、自由です。

子供たちをずっと観察していますと、大人には思いつかない実験案を次々と出してきます。私は、上記のルールに引っかからなければ、

面白いじゃん

やってみて

結果が出たら、

再現性は?

の繰り返しを言っていました(笑)。しばらくしましたら、子供たちも同じことを言っていましたね(笑)。

そして、私の口癖の

研究はつまらないもの

というのを知っていますので、子供たちから

つまらない!

と言いづらくなっていましたね(笑)。でも、努力は必ず実を結ぶ、あるいは難しかったら、私が力を注いで「努力=成果」というのを無理矢理にでも体験させてあげていました。

学校のテストも大切ですが、学校で習ったことを実体験として使うことで、学びを子供たちの人生の中に吸収させてあげました。

ジェフユナイテッド市原(現、ジェフユナイテッド千葉)監督時代のイビチャ・オシム氏は、練習前にじっと選手を観察して、直前にチームあるいは選手個々に必要な、想定外のメニューを毎回与えていました。

サッカーも人生も同じように予測不能で、それが楽しく、素晴らしいということを選手一人ひとりに体験として与えていました。

おこがましいですが、私の八丈サイエンスクラブも、研究活動を通して子供たちの人生に光を与えることを目指していました。

ただテスト問題を解くだけでは、足りないのです

教える方は大変ですが、これ、教育の真髄ではないかと私は思っています。だから、私は子供たちに全力を見せますし、背中でも語ります。

いつか、こんな出会いがあったと思いだしてもらうために・・・

いつか、自身の壁と出会って、その解決方法を模索してもらうために・・・

近年では、こんな教育は無いかも知れません。でも、スポンサーは

これだ!

と言ってくださいました。

そして、これが、八丈島からしばらく離れる理由となりました。

嬉しさ半分、寂しさ半分ですね

子供たちのアイディアが詰まった迷路。同じように見えますが、すべて違います。一つ一つ目的を持ってデザインされています。

私は30年間プロの研究者として生きてきました。世界初というものもけっこう体験してきました。

でも、目指していたのは研究の成果ではなく、チームの人間としての成長の方に興味がありました。

研究教育で人間教育をしたら、世界初の結果がついてきただけです

八丈島での子供たちの研究はしばらく終わりです。次は都心での研究です。

都心の子供たちにも言わせてあげますよ

「研究はつまらないもの」だって(笑)

そんなわけで、当面、八丈島で起きるリアルタイムのブログ記事の更新は止まります。


八丈サイエンスクラブ
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