私は、大学、大学院の学生時代、プロの研究者になってからと、すべて大学の研究室で30年間過ごしてきました。
現役時代は外にはあまり出ませんでした。交流するほとんどの方々は研究者でした。
こういう人生を歩みますと当人はいたって普通と思っているのですが、当たり前ですが、社会とはかけ離れてしまいます(笑)。
社会に出て、また面白い経験をしました。
今日は、「八丈島に来てから、様々な業種の社長さんと出会う機会が増えました」と題してのお話です。
高学歴の社長さんは少ないです
今の時代、勉強して、いい小学校に入り、いい中学校に入り、いい高校に入り、いい大学に入り、いい会社に入るのが人生の目標のように言われています。これは、私が子供の頃もそうでしたね。
これも一つの人生の形です
でも、多くの人の人生はこの道から外れます。私も外れました。
八丈島に来てから、仕事柄、様々な業種の社長さんと出会うようになりました。ほとんどの社長さんは、
私は大学に行っていないから・・・
とおっしゃっています。でも、会話をしていていつも違和感を感じています。
私の時間と社長さんの時間は異なっていました
社長さんはよく会食をします。でも、これ、参加していて理解しましたが、ただ食べて、ただお酒を飲んでいるわけではありません。
例えば、会食の時間の10分間について私が感じたことです。私の10分間はただの10分間ですが、社長さんたちは10分間の会話の中に、自分のビジネスに活かせるものはないか、常に「言葉」を探しています。
ビジネスチャンスといえば簡単ですが、これに気づくか気づかないかは、その場にいる人の経験に依存しているのではないかと思いました。
私にとってはただの「言葉」。でも社長さんにとっては、たった一言の「言葉」であっても、頭の中で、顧客数、組織づくり、単価と販売数、施設あるいはネット、経費を含めて一瞬で計算するきっかけを作るものでした。
社長さんの思考の根幹
お話を伺ってみますと、みなさん共通するのは、初期の頃に全力で働いた(体を使った労働)時期があり、その時はその時の立場で成果をあげたそうです。
そして、ここが普通の人と違うところですが、社長さんになる人は、自身が働いたビジネスについて働く側から運営側の視点で見直すことをしていました。
そして、いつも
今の自分だったらどうすればいいのか・・・?
ということを考え、蓄積し、時期が来たら試してきたようです。
また、社長さんは今の時代の変化の速さについてもお話してくださいました。
今の時代、変化が速いのは「言葉」では誰でも知っています。でも、予算がつき、職員を集めた会社では、簡単に単なる「言葉」では済まされません。
理を持って前進、進路変更、撤退を素早くするのですが、多くの失敗を基に決断しているようです。
失敗談、多すぎでした(笑)
きっと、普通の人よりも多い失敗が決断の精度につながっているのだと思います
社長さんは社会の流れに常にアンテナをはっている
私はこれまで研究ばかりしてきましたので、事象の一点に集中するという考え方でした。これと決めたら、脇目も振らずということです。
自身の横で何が起きても、まったく気にしません
ところが、社長さんは社会のことを常に考えています。なぜなら、ビジネスは人間社会に対して行われるからです。
こういうものがあったらいいな・・・
ここを改善されたらもっと便利なのに・・・
そして、市場が成熟したら、そのまま留まるか、撤退するかを素早く判断します。言葉表現しますとこんな感じですが、社長さんたちは重責の中でもとてもフットワークが軽かったです。
八丈島に来て、研究室から社会に出て、私の毎日は新鮮な体験の連続です。これまで何人もの社長さんと出会いました。
いつも貴重な学びの機会を与えてくださってありがとうございます
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