みなさま、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年は私とアメリカ在住の先生と2人で専門書の章を書いていました。昨年の8月末に行われた第27回国際昆虫学会議にちなんでの本で、このブログでも何度か執筆状況が出てきましたね。
最終的に、下書きが書き終わりましたのは2024年12月26日。そのあと大学の先生に査読をお願いし、大晦日に査読が返ってきました。
今日は、「大学の先生って超有能なんですよ」と題してのお話です。
科学、学問と再び接する貴重な機会をいただきました
私は研究から離れて8年経ちます。その間、論文のコメント、リモート発表での質疑応答などは何度かしましたが、実験台にも立っていませんし、論文も総説も書いていません。
ですので、ブランクがありました
ところが、アメリカ時代にお世話になった先生の強い推薦で、国際会議の座長を経験させていただいたり、本の章の執筆の貴重な機会を得ることになりました。
専門書に特別な願いを込めて書く
専門書ですので、思いつきで書くわけにはいけません。取り寄せていただいた全ての文献に目を通し、それを基にまとめます。
まとめ方は、広く浅く、中間、一点突破で深くと大きく分けて3パターンあります。私は日本の科学、学問の魅力を若者に強くアピールするため、一点突破のパターンを選択しました。
研究は「知的好奇心」を満たす
とよくいわれますが、私はこの言葉は本物の研究には当てはまらないと思っています。
苦しくて、苦しくて仕方のない時間の連続です
少なくとも、私の経験では楽しいことはありませんでした
時間が経った後、あのときは良かったのかも知れない・・・
と、ようやく自分がやってきたことの価値を見出すのが本物の研究です。
これを伝えるにはどうしたらいいかといいますと、私は研究の苦しさを伝えるために、可能か限り細かく研究内容を記載することにしました。
そうするためには、文献をちゃんと読まなければなりませんね。私は2ヶ月間近く集中して読みました。
学会で論文を書いた先生方々とお会いして、お話も直接伺いました。私が書いた文章は専門用語ばかりですが、研究に対する必死さ、直向きさ、達成した人の姿を間接的に写せればと願って書いたつもりです。
大学の先生は超有能
大学の先生の仕事は簡単ではありません。研究費の獲得、研究、実験、研究室の学生の対応、研究室の運営、一般学生の対応、学科の運営、学部の運営、大学の運営、学会の運営と体がいくつあっても足りません。
その中で、時間を区切り、自身のリソースを分配し、最大の成果を上げ続けます。
私といっしょに執筆しているアメリカ在住の先生は、学生を持ち、自身の研究を進め、論文(トップジャーナルです。)を執筆し、成果を上げ続けてきた方です。
成果を上げ続けないと、アメリカでは普通にクビになります。
そのうえ海外です。私も7年近くアメリカにいましたが、言葉や文化、環境の違いも小さなダメージとして蓄積していきます。
先生は20年間近くもそのような生活をしています。
本当にすごい方です
更に驚異的なのは、私が2ヶ月間かけて書いた文章を、先生は1週間で書き上げました。
なぜこれができるのかといいますと、現役の研究者は常に研究や内外の方向性を考え、頭の中で文字として書き上げているからです。
査読された大学の先生も同様です。わずか1日で問題点を的確に記載し、改善点を提案されました。
本を書くということは、文字でのやりとりになります。自身に取り込み、責任を持って文字にして提案することは簡単ではありません。
瞬時に対応できるのは、研究に対する普段の研鑽の現れです。
多くの研究者は私を含め大学の先生になりたいものです。しかし、そのポジションを獲得できる人は超有能なトップオブトップなのです。
大学の先生のすごさを肌で感じる貴重な機会になりました
今日は、「大学の先生って超有能なんですよ」と題してのお話でした。
専門書を書いている過程で私が体験した大学の先生のすごさについて紹介しました。
大学の先生は、研究費の獲得、研究、実験、研究室の学生の対応、研究室の運営、一般学生の対応、学科の運営、学部の運営、大学の運営、学会の運営と多忙ですが、自身のリソースを分配し、最大の成果を上げ続けます。
科学、学問のトップオブトップを体験する貴重な機会となりました
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