2025年10月9日に八丈島に大型の台風22号が最接近しました。
一時期音信不通になりましたが、ご心配をおかけしました。無事です。
被災された方々に比べますと、私は軽微でした。2日半の間、携帯やネットの不通、停電、断水が続いたくらいでした。
予報では今回の台風22号は、1975年10月5日に八丈島に大きな災害をもたらした台風13号と同等かそれ以上と予測されていました。
しかし、本当に直前まで、八丈島は無風で穏やかな曇り空の天気でした。
南原道路も立入禁止の柵があるだけで、

本当に大型の台風が来るの?
という状態でした。

そして、台風22号が八丈島を通過した2025年10月11日現在、被災の全容はまだ明らかでなく、日に日に恐ろしい災害が顕在化し、並行して多くの方々のご尽力で復旧作業がされている状況です。
私のブログでは、基本的に依頼された時以外は人は出てきません。そもそも、台風22号で被災されている方々に対して言葉をおかけできないほどの状態です。
ですので、私ができることとして、ここでは元科学者が見た台風22号見た状況の記録についてのみお話します。
今日は、「2025年10月9日、東京都八丈島を通過した台風22号の様子」と題してのお話です。
台風22号の通過状況
2025年10月9日1:50
台風に特徴的な大雨と強風が始まりました。当然気圧が下がり始めますので、過去の交通事故で怪我した部分と頭が締め付けられるような感じがしました。
風向は、東北東、東、東北東、北東、北北東、北に変わると予報されていました。
危険なのは最接近時で、その時の風向は北東、北北東、北風です。北側の部屋の荷物は窓際から距離を置きました。
2:59
細かい停電が断続的に起き始めました。停電のことを考え、冷蔵庫の物の消費の順番を大まかに考えていました。
3:05
気圧が急激に変化しているのか、体の節々が痛くなり始めました。
私は、交通事故の後遺症で、気圧が変わるとシャットダウンしたように眠る傾向があります。その症状が出始めました。
しかし、何かあった時に行動しなければなりません。眠らないようにしていました。
4:33
北東の風になりました。1:50の時点で台風の風でしたが、ここでギアが上がったように風の激しさが増しました。トイレの換気扇は逆流し、換気扇に溜まったゴミが吐き出されていました。
そして、コンクリート製の建物にも関わらず、部屋の壁がドンドンと鳴り始めました。
4:42
北東の風ですので、北側の部屋にいるのは危険です。万が一ガラスが割れて吹きさらしにならないように、全てのドアを閉めて南側の部屋に避難しました。
南側ある駐車場を見ますと、暴風雨で荒れ狂っていました。台風22号の暴風雨の状況が、島民からXで発信されていましたが、ちょうどこの時間帯だと思います。

私は怖くて撮影できませんでした


5:00
暴風雨は続きます。ギアはさらに上がりました。壁のドンドンと鳴る音の間隔は短くなり、大きくなりました。
5:08
寝不足か気圧の影響かはわかりませんが、頭を圧されている感じがし、胸というか胃も圧迫されるような気持ち悪い状況になりました。
5:11
建物の屋根からもドンドンと鳴っていました。
5:15
駐車場には、安全のため、2灯のライトが設置されていました。両方とも消失しました。
頭の締付けはさらに強くなり始めました。
5:24
停電しました。トンネルに入った瞬間のように耳が詰まりました。
5:46
北側の窓から浸水が始まりました。台風22号の最接近時の風向の予報は北東、北北東、北。
その通りになりました。
カーテンからひっきりなしに水が滴り、床は水浸しになりました。
タオルに水を吸わせ、タライに絞りました。満杯になった水を3回捨てました。
荷物を窓際から移動させて正解でした。


6:22
暴風雨は続きます。防災無線が鳴りました。
強すぎる風は電波に影響を与え、メッセージが途切れ途切れとなりました。

何を言っていたのか分かりませんでした
八丈町は、広範囲の地域に聞き取りやすくするために防災無線をデジタル化しました。しかし、この異常な環境下ではデジタル化の恩恵は弱められてしまったようです。
7:10
八丈島全体が停電になったことが発表されました。
8:00
外の風が収まってきました。

暴風・波浪特別警報、大雨警報、雷・高潮注意報を体験して
みなさんも警報や注意報は聞いたことがありますよね。本土では多くの場合は思ったほどは怖くないと思っているのではないでしょうか?
八丈島では、大雨注意報以上になりますと、土砂崩れが起きる可能性が急激に高まります。
それは、八丈島の地形が、溶岩でできた急斜面に薄い土壌がのっている構造だからです。土砂崩れが起きやすい土地なのです。
ですので、私も大雨注意報が発表されましたら、山には行かないようにしています。
今回の台風22号では、「暴風・波浪特別警報」という聞き慣れない言葉が使われました。パネル表示は黄色でも赤でもない黒色です。
様々な媒体で避難の呼びかけが繰り返し行われました。当日の八丈島でも防災無線で繰り返し流れました。

台風22号が八丈島を通過した時のデータを気象庁からダウンロードし、グラフにしました
気圧は2025年10月8日23:00に988.3 hPa。ここから下がり始め、2025年10月9日6:00で一番低く953.3 hPaとなり、そこから上昇が始まりました。つまり台風22号は6:00に八丈島に最接近していたことになります。
風速は2025年10月8日23:00に9.5 m/s。ここから風速が上がり始め、2025年10月9日6:00で一番速い32.3 m/sとなり、そこから下がり始めました。最大瞬間風速は5:30に記録した北東の風54.7 m/s。
雨は2025年10月8日22:00に1.5 mm/h。降水量が増し、2025年10月9日6:00で一番多い92 mm/hとなり、そこから減少が始まりました。それでも2025年10月8日22:00~2025年10月9日11:00までで総雨量は353 mmとなりました。
数字では無味乾燥ですが、以上が台風22号が八丈島に影響を与えた13時間ということになります。

今日は、「2025年10月9日、東京都八丈島を通過した台風22号の様子」と題してのお話でした。
台風22号は、不幸にも八丈島に予報どおりの災害を与えました。
台風22号が八丈島を通過した2025年10月11日現在、被災の全容はまだ明らかでなく、日に日に恐ろしい結果が顕在化し、並行して多くの方々のご尽力で復旧作業がされている状況です。
ここでは台風22号が通過した時間経過の私見、気象庁の発表を見ながら通過の13時間の様子のみを紹介しました。
今回、私はいくつかの幸運に恵まれました。建物の構造、建物が立っている地形、台風22号最接近時の風向・・・。
これらが、どれか一つでも不利に働いたら、今の私は無いと思っています。

被災された方々が少しでも早く元の生活に戻れることを願っております