台風22号は八丈島の家屋の半壊・全壊、様々な仕事場を崩しました。身近な人が被災してしまいましたので、なんと言葉をかけたらいいか分かりません。
私の家は幸運にも北側の部屋が水浸しになるだけでした。ただ、停電、断水、携帯の電波が繋がらない状態が続きました。
そんな中、どうしていたのかといいますと・・・
今日は、「台風22号が通過した後、2025年10月9日~13日の東京都八丈島に住む私の生活周辺について」と題してのお話です。
浴槽に貯めていた水が役に立ちました
台風が近づきますと、八丈町の防災無線からは毎回浴槽に水を貯めるようにとのメッセージが流れます。
ここ最近では台風による断水はほとんど無く、「嵐の前の静けさ」で、私も

台風22号もやり過ごせるのではないか?
とマンネリ化で甘く考えていました。
しかし、私は移住者の島民です。本当の八丈島を知らないことが今でもたくさんあります。
防災無線は受け継いできた島民の知恵が含まれています。指示通りに浴槽に水を貯めました。
期せずして、この水が役に立ち、生活用水となりました。

職員の方々から手渡された喜びの飲料水
備蓄したペットボトルの水はあったものの、時間が経過するに従い、当然ですが、水の量は減少してきます。

1日にどれだけの量の水を飲んだか?

今、手を付けたのは何本目か?

このペースで飲むとあと何日で空になるのか?
この言葉の思考が、グサッ、グサッと刺してきます。なぜか自分から恐怖に落ちていきました。
色々なスーパーを巡りますと、台風22号により営業をお休みしていたり、お店が開いていても水は欠品になっていました。

どうしよう・・・
そんな時、防災無線が流れました。
念願の飲料水の配布がありました。1袋に6 Lもの飲料水が入っていました。
ペットボトルの水は購入できませんでしたが、これほどの量の水が手に入ればしばらくは心配ありません。
職員の方から手渡しで渡された水はとても貴重なものですし、この喜びの体験も私にとっても忘れられないものとなりました。

大変な状況の中、配布してくださって大変ありがとうございました

停電になった後、冷蔵庫は・・・?
もし、私の実家が農家でしたら、ある程度、作物は常温でどれだけ持つか分かるでしょう。私を含め、最近の人は冷蔵庫・冷凍庫の恩恵を受けていますので、食物の食べられる期間は分からないと思います。
私が現役の研究者だった時、研究機関内で定期的に停電があり、-20˚C、-80˚Cの冷凍庫の対応をしました。
簡単に言えば、開けなければ温度はけっこう保たれます。
しかし、それはあくまでも研究用の冷凍庫のお話。一般家庭用の冷蔵庫・冷凍庫はどうなるか分かりません。
そこで、これまでの友達との会話、スーパーでの品物の陳列場所を思い出してみました。

卵、じゃがいも、人参、玉ねぎ、キャベツは常温で大丈夫そう・・・

魚や肉は冷蔵だが、もし、冷凍だったら1度凍って解凍までに時間はどのくらいかかり、腐るまでなら時間がどのくらいかかるのだろうか・・・?
意外にも冷蔵庫・冷凍庫で温度が下がったものは、ある程度下がった温度を維持します。冷蔵庫を開けて中の物を確認する時間はありました。
サバが危なそうだったので最初に、次に肉の解凍が始まったので、この順で消費することにしました。私の場合は1日半持ちました。
兎にも角にも食べられれば良い訳です。順番に消費していきました。
近所の人からお裾分けされた「うみかぜ椎茸」を入れ、焼きそばを作りました。


嗜好品が嗜好品たる理由
それでも、

水はこれだけ飲んで・・・

さっき卵は2個使ったから、残りは・・・
なんて四六時中考えていますと、だんだん頭がおかしくなってきます。
ストレスってこうやって生まれるのでしょうか?
Xでタバコの相談をされた方がいらっしゃいました。タバコは嗜好品です。
私はタバコは吸いませんが、この時、ハッと思いました。このストレス下だからこそ、嗜好品は大切なのではないかと・・・。
そこで、水が少し余裕がある時に試しにお茶やコーヒーを飲んでみました。高級品を飲んだわけではないのですが、す~っと緊張が和らいでいくのを感じました。
Xでタバコを相談された方もストレスが最高潮だったのだと思います。嗜好品は人が生きるうえでとても大切なものであると実感しました。

台風22号の勢力の姿を車で知りました
私は月に1度洗車をすると決めています。ただ、八丈島ですのでちゃんとしたことはしていません。
水をかけて、洗剤で洗って、また水をかけて終わりです。
車をずっと使っていますと汚れてくるものです。

もうそろそろ、洗車をする時期かなぁ・・・
と思っていましたら、台風22号が八丈島を直撃しました。
暴風雨にさらされる中、車は何事も無かったように見えました。
近づいてみますとピカピカ。
時速100-180 km/hの水しぶきが当たっていましたので、車は高圧洗浄されたみたいに綺麗になっていました。

先程は恩恵。こちらは悲しいこと。
車を運転していましたら、後部の左ドアからぴちゃぴちゃと水の音がしました。
ドアを開けますと、ドアの下の方から水滴がたれていました。

どうやって、ドアの中に入った水を抜けばいいのだろうか・・・?
行きつけの整備工場へ電話をかけましたが、台風22号の通過直後です。電話は不通でした。
自分でやるしかありません。ドアの下側から水が滴っていたのを確認しました。
よく見ると黒いパッキンが2つ付いていました。これらの角度を変えますと、ドアの下部から水がどーっと出てきました。
台風22号の風向きは一方方向でした。そして、パッキンが悪い窓の部分から大量の水が流れ込こんだようです。

ドアの中が錆びないか心配です・・・
被災の中のいくつかのお店が開店していました
台風22号が通過後、家が半壊・全壊になった方もいらっしゃいます。安全のために住み慣れた土地から避難しなければならない方もいらっしゃいます。
それだけ台風22号の被災は大きいものでした。
そんな中、各お店は、水を提供してくださったり、炊き出しであったり、洗濯機を解放してくださったり、お風呂を解放してくださったりしていただいています。

感謝しかありません
電気が止まり食べ物が少なくなりました。あさぬま大賀郷店様も被災されたお店の一つですが、欠航が続く中、できる範囲で品物を提供されていました。助かった方もいらっしゃると思います。

各お店の皆さま、大変ありがとうございます

あさぬま大賀郷店 シャッターを一部開けて営業していました
今日は、「台風22号が通過した後、2025年10月9日~13日の東京都八丈島に住む私の生活周辺について」と題してのお話でした。
台風22号通過後、私の生活圏での水、冷蔵庫の食材、嗜好品、車、そして、お店のお話でした。島民のお話を聴くこと、繰り返しであったとしても防災無線を聴くこと、ストレスで詰まったときの対策、台風22号のすごさを再確認したり、そして、大変の中開店された各お店への感謝のお話でした。
また、色々な情報をくださったご近所さんにも感謝です。
八丈島復興にはまだまだ時間がかかりそうです。