2024年8月末に第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto)に参加してきました

その他

しばらくブログを更新していませんでしたね。今、私は八丈島ではなく、京都にいます。

そして、台風10号の影響で八丈島に帰れなくなりました。

どうして八丈島在住の私が京都にいるかといいますと、八丈島の子どもたちの研究を第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto)で発表したからです。

国際昆虫学会議は、文字通り世界中の昆虫学の研究者が集まり、それぞれの研究発表をし、生でディスカッションする場です。


今日は、「2024年8月末に第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto)に参加してきました」と題してのお話です。


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アメリカの先生からのメール

私は、八丈島への移住を機会に、今から8年前に研究者を引退しました。ですので、ブランクが長いです。

それでも、アメリカ時代の先生とはメールのやり取りが現在まで続いており、今から1年前に、ICE2024 Kyotoへの参加と当時の仲間がシンポジウムをするので加わるようにとの依頼が来ました。

アメリカの先生は、未熟な私を一人前の研究者に育て上げていただいた方です。

まあ、超スパルタでしたけれどもね(笑)

ただ、先生は、私の研究人生に大きな影響を与えた方で、私にとっては大切な師です。ですので、メールにはOKの返事をしました。

国際学会といいますと、私は過去にFourth International Symposium on Molecular Insect Science、Entomological Society of America、International Congress of Chemical Ecologyなどに参加してきました。ただ、今回のような大規模の国際学会は初めてでした。


ICE2024 Kyotoのオープニングセレモニーの様子

時間になり、メインホールには参加されているすべての研究者が集まりました。壮観でしたね。

テレビなどで放映されましたように、ICE2024 Kyotoのオープニングセレモニーには秋篠宮ご夫妻も参加されていらっしゃいました。皇族の方々ですので、警備は厳重でした。

撮影は報道関係者のみに制限されていましたので、当然ですが、秋篠宮ご夫妻の姿は遠くから見るだけになりました。

正直な感想ですが、やはり一般の方とは全然違いましたね

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私のアメリカ時代の先生はICEの評議会議長でした。開会とオープニングレクチャーの講演が行われました。

昔の私の研究や写真も紹介され、懐かしかったですね

先生の発表のイメージ図。研究者時代の私も紹介されていました(笑)。

ICE2024 Kyotoの展示販売の様子

会期の間、会場ではいろいろな催しや展示販売が行われました。

海外では日本の折り紙はとても魅力的に映るようです。そして、その折り紙を使って精巧に再現されたたくさんの昆虫が展示されていました。

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展示販売の中には、図鑑、写真集、絵、カバン、Tシャツなどもあり、変わり種ですと昆虫食もありました。

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ICE2024 Kyotoの発表の様子

オープニングレクチャーが終わったあと、学会に参加された研究者は誰の講演を聴くか一斉にプログラムをチェックします。

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学会での発表は口頭発表とポスター発表の2種類があります。

未発表データが含まれている場合が多いため、基本、撮影禁止です。口頭発表の様子の写真は撮ってはいけません。ポスター発表だけ雰囲気が分かるように引きで撮りました。

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私も八丈島の子どもたちのダンゴムシの研究を英訳して発表しました。アメリカ時代の先生もポスターにいらっしゃいました。

オカダンゴムシの交替性転向反応以外の行動を誘発する条件の探索


ICE2024 Kyotoの外での楽しみ

ICE2024 Kyotoは、国際学会ですので、日本国内外のなかなか会えない人と直接会うことができます。

とても貴重な機会でしたね

そして、親睦を深めるために夕食を一緒にとることもありました。アメリカ時代の仲間から日本の本物の寿司を食べたいとのリクエストが有りました。

アメリカの多くの寿司屋は回り寿司です。でも、回らない本格的な寿司は高価ですよね。ですので、その中間の価格のお店を探して3人で入ることにしました。

私たちが行った寿司屋さんは、看板が出ていませんでしたので、場所が分かりませんでした。近所のお店に聞きながら入口を見つけました。予約なしでしたが入ることができました。

お店の作りは京都の旧家を改装したものでした。

アメリカ時代の仲間は、現在アメリカとオーストラリアにいます。彼らの国の文化にはこのような建物はないため、お店の雰囲気にとても感銘を受けていましたね。

料理も美味しかったです

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ICE2024 Kyotoの閉会

6日間の会期が終わり、最後のプレナリーレクチャーのあと、クロージングセレモニーが始まりました。

今回のICE2024 Kyotoでは82カ国4,041人の研究者が集まった過去に例も見ない大きな規模の学会となりました。4,041人の参加者を抱えて運営するのはさぞかし大変だったと思います。

運営にご協力された先生方々には本当に感謝しかありません。この気持ちは82カ国4,041人すべての研究者も同じだったと思います。

アメリカの研究室の同窓会

ICE2024 Kyotoでは、アメリカの先生とは10年ぶり、研究室の仲間とは16年ぶりの再会となりました。

私はアメリカの先生が研究室を開いたときのほぼ初期のポストドクでした。ゼロからのスタートでしたので、先生も私も燃えていましたね。

当時は、2人で実験、怒鳴りあいのディスカッションと、文字通り一心同体で命の炎を燃やして、土日返上で働き続けました。

加わった仲間も最初は戸惑いながらもついてきて、インパクトファクター(雑誌の評価ランキングのようなもの)の上位の科学雑誌に研究成果が発表できたことは今ではいい思い出です。

あのときは大変でしたけれども、振り返りますと、楽しい思い出になりましたね

私もそう思います

そう話しながら、私は先生と仲間たちと記念撮影をしました。


今回の学会で気づいたこと

私は研究者を引退して8年になります。それ以前は帰省は一切せずにお盆もお正月もなく、ひたすら働き続けました。

こんな生活をしていますと、論文の数は増えていきます。私はこれで大学の先生になれると思っていました。

研究から離れた立場になり、今回、ICE2024 Kyotoで国内外のたくさんの先生方々とお話させていただきました。先生とよばれる身分になった方々には共通の顔と背中が見えました。

あぁ・・・

私が大学の先生になれなかったのはこれが理由か・・・

先生方々にはあり、私にはまったくないものがありました。この大きな差がポジションを取れなかった理由で、それを冷静な目で観察し、理解できたことが私の人生にとっては大きな収穫でした。

時間っていろいろなことを解決してくれるのですね


今日は、「2024年8月末に第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto)に参加してきました」と題してのお話でした。

ICE2024 Kyotoのセレモニー、発表、運営された多くの先生方々の努力、同窓会のお話、そして、自身の人生にとって大切な納得を得ました。

あとは、今回のICE2024 Kyotoの関連の2つの書き物が残っています。研究者としての仕事はこれで最後になりそうですね。


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