私の人生では、3人のドイツ出身の方々に出会いました。すべて研究者時代です。
一人は世界的に有名な電気生理分野の先生、一人は大学院時代にそれなりの論文を出した有機化学分野のポストドク、そして、大学院卒業直後のポストドクでした。
彼らの研究の進め方は対照的でした。
世界的に有名な先生は、それこそ、朝から夜遅くまでぶっ続けで狂ったように実験をしていました。一方、ポストドクの方は一つ一つユニットに分けて論理的研究を進め、時間になったら帰っていました。
当時の私はほとんど英語を喋れませんでした。彼らの働き方を横目で見ながら、自身の仕事(私は研究のことを「仕事」と呼んでいました。)をしていました。

思い出しますと、同じドイツ出身でも働き方は色々でしたね

今日は、「西村栄基先生の「ドイツ人のすごい働き方」を読んで」と題してのお話です。
「ドイツ人のすごい働き方」について
本書はビジネス書です。ドイツの会社でマネージャーとして働いた西村栄基先生の実体験を言語化したものだと思いました。
冒頭は、ドイツの文化、習慣、人生観、仕事における考え方を紹介していました。
休日の考え方は、ドイツというよりもヨーロッパ全体の価値観で、1年のうちにきちっと休む期間がはっきりとあります。
ドイツにおける個については、若いころからの人材教育、専門性を持ったら再勉強(リスキリング)のシステム、考え方が紹介されていました。背景を記載するのは、日本での取り入れの際、模倣というよりも日本型との融合をねらってのことだと思いました。
次は組織。会議、議論、提案、交渉など、個と個のつながり、立場の上下関係など日本でも見られる組織での仕事の進め方をドイツでは似ているけれどもどこが違うか、改善の例を示していました。
仕事を進めるうえでの参考になる改善点として、日本でもやっている方もいらっしゃるとは思いますが、
- 時間を区切って仕事を進める「ポモドーロ・テクニック」
- 仕事をするために頭を一度クリアにするための「リセットボタン」
- 議論の時に白熱して感情的にならないようにするための「6秒ルール」
- 個人の長期休暇によって仕事が滞らないようにするための「バックアップシステム」
- ソフトウェアのように8割の概要を完成させ、残り2割のバージョンアップで最高点を目指す「パレードの法則」
なども紹介されていました。
「ドイツ人のすごい働き方」は、以前、企業の方とお話した時の話題が文中に出てきていましたので、方法論を学ぶ参考書的な位置づけの本だと思いました。

今日は、「西村栄基先生の「ドイツ人のすごい働き方」を読んで」と題してのお話でした。
ドイツの文化、習慣、人生観、仕事における考え方から始まり、個の教育、組織運営、仕事を進めるうえでのテクニックなどが紹介されました。
西村栄基先生も文中で仰っていましたが、ドイツ式が素晴らしいということではなく、日本式にも良いところがあります。本書は改善点の例としての提案書ということでしょう。
私が生きてきた研究の世界とは大きく異なり、企業の方とお話した時に出た話題が多く掲載されていました。

こういう考え方もあるのですね
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