八丈島は、1周60 km、面積は70 km2。北海道の屈斜路湖の中に入るくらいの小さな島です。
ところが、日本で見られる様々な地形がコンパクトな島にすべて含まれています。
超巨大なジオラマです
私もいつも観察しているフィールドを持っているので、その視点からは八丈島の植生は均一と思っていました。
ところがです・・・
今日は、「2024年10月末、植物に詳しいガイドさんと一緒に東京都八丈島を回ってきました」と題してのお話です。
はじめに、八丈島の山は大部分は国立公園です。同時に90%が私有地となっています。今回は地主さんの許可を得て山に入っています。
八丈島の主道路の裏にはたくさんの細い道がある
八丈島を1周するには都道215号線を使います。舗装はされ、草も定期的に刈られていますので、景勝地へのアクセスには便利ですね。
でも、それが八丈島の姿の全てではありません。八丈島には、林道、農道(農家のものですので入ってはいけません。)の他、山に入れば作業道、昔使われた山道もあります。
山に入って植物に詳しいガイドさんと一緒に歩きましたが、今は使われていなくても、当時の活動が見えました。
八丈島の山は原生林ではない
フィールドの知識の中で、私は野鳥が一番強いでしょう。正直に言いますと、代表的なもの以外は、植物と地形は苦手です。
ただ、植物に詳しくなくても、このコンパクトな八丈島の植生は区画によって異なることは分かります。
では、なぜ異なるのか?
人の手が入っているからです
現在は無人の山ですが、そこに入りますと、株立の木がたくさん見られます。
昔、木を使ったり炭を作ったりするために、木を切り倒しました。その残った切り株から枝が出てきたものが株立です。
そして、人が切ったことのある森は、人が全く手を入れていない場所と比べますと、スカスカしています。
実際にその場所を歩きますと、人の営みを実感します
八丈島1周のついでに植物散策
私はもともとバードウォッチングからフィールドに入ったのと、植物に詳しくなかったので、植物の生えている時期と場所で植物を覚えていきました。
ですので、植物個体単体で出されますと、同定は難しいですね
そんなわけ、直接手に取りながらガイドさんに質問を繰り返しました。
ハチジョウススキ
八丈島には2種類のススキが見られます。
普通のススキは八丈島の開発にともなう人間の活動とともに入ってきたもの。一方、ハチジョウススキは八丈島にあったものです。
分かりやすい違いは、葉の幅と葉の裏が粉っぽいかどうかです。
モチノキ
八丈島の主な樹木として、黄八丈に使うスダジイとタブノキ、木を切り倒すとすぐに生えてくるオオバヤシャブシが目につきます。
モチノキは、それらのメジャー選手から少しマイナーな木です。家によっては生け垣に使ったりします。
クスノキ
八丈島の三原山側はスダジイが多いのですが、三原山側よりも若い八丈富士側は遷移の途中です。別の種の樹木も見られます。
あれ、分からない・・・
あぁ、これはクスノキだね
ホルトノキ
ホルトノキは八丈島ではけっこう見られます。ところが、多くの場合は山の上の遠くの方にあり、間近では見られません。
そういうわけで、私はホルトノキがどんな形状の樹冠を形成し、葉をしているのか知りませんでした。
たまたま、樹冠付近に立つことができ、ホルトノキの葉の生え方を間近に見ることが出来ました。
八丈島に8年も住んでいるのに、知らないことはまだまだたくさんありますね
今日は、「2024年10月末、植物に詳しいガイドさんと一緒に東京都八丈島を回ってきました」と題してのお話でした。
地主さんの許可を得て、植物に詳しいガイドさんと一緒に八丈島のいくつかの森に入りました。
八丈島の森は原生林で均一と思っていましたが、人が入った形跡がたくさんあり、その影響の仕方によって森林内の様子が違いました。
せっかくの機会ですので、普段は気に留めていなかった草本や樹木について、ガイドさんに質問しました。
まだまだ学ぶことはたくさんありますね
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