以前、「義妹生活」というアニメの第1話を見て、原作を一気読みしたお話をこのブログで紹介しました。
義妹といいますと、アニメ、漫画、ラノベなどの定番で初めはツンケンで、ドタバタのあと、ラブラブというのが定番です。多くの人に刺さり、エンタメですので、これはこれでアリだと思います。
ところが、三河ごーすと先生の「義妹生活」は生活の写実的な描写が多く、それぞれの人物の視線が移動して実際に見ていることが分かります。
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料理の描写は作る過程から出来上がりまで細かく、毎回お腹が空いてしまいます(笑)
そして、恋愛に関しては、作品がラノベに分類されるのでそれなりに進むのですが、上記のエンタメよりも実社会のようにゆっくりと進みます。
展開が遅いと言われるかも知れませんが、物語から離れた視点で見ますと、作品が妙に現実に近く見えます。
今日は、「三河ごーすと先生の「義妹生活 another days」を読みました」と題してのお話です。
初めは商売上手と思っていました(笑)
ラノベではメインストーリーとそれにまつわるサイドストーリーがあります。それを売るのも戦略の一つです。
another daysでは「グッド・バイ」読売栞の外伝小説の部分がそれに当たります。ファンなら欲しくなります。
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う~ん、商売上手(笑)
もちろんサイドストーリーも良かったのですが、私はそれよりも前半のアニメ版「義妹生活」1~12 話分の原作者である三河ごーすと先生の感想がとても興味をそそられました。
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本書の前半は、原作版「義妹生活」、アニメ版「義妹生活」の制作過程が解説されていました
「義妹生活」では登場人物が人間ぽく描写されています。ではなぜ人間に見えるのかといいますと、簡単にいいますと対比を使っていると思いました。
前述で「義妹生活」では本当に細かく物語の舞台が写実的に描写されています。
私たちの目に見えるのは形であり物です。少なくとも私たちが注目している短い時間の間は不変です。
一方、私たち人間は生き物です。不変に見えますが、分からないくらい少しずつ常に変化しています。
たとえば、会話の初めはAが正しいと主張しているのに、会話の時間が経過したら否定していたBが良いといい出したり・・・(笑)。
SFや推理小説ではカチッとしたストーリーのプロットを用意し、精密なパズルを組み立てるように進行します。物語の展開上、そうしないと、読者が最後のオチで驚かないからですね。
人間の生き方を主に説く小説だったらどうでしょうか?もちろん、カチッとした登場人物のプロットは必要。
でも、科学の公式のように精密すぎると登場人物が人でなくなります。そこで、生物的なゆらぎを含めます。
ただ、ゆらぎすぎてもダメなので、相当準備しているように見えました。
初めは、登場人物の特性を箇条書きしていたと思っていましたが、おそらく、プロットはたくさんの文章による物語によって構成されているのではないかと思いました。
これらを基に原作版「義妹生活」なら文字で、アニメ版「義妹生活」なら絵で、いかに表現方法が練られているのかが綴られていました。
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「義妹生活 another days」では、小説の書き方が垣間見れました
私の知人に物語を書く才能に溢れた子がいました。私の専門は生物学ですが、その子が書いたものをいくつか読ませていただきました。
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感想をいいますと、小学生ですが異常なレベルでした
知人に伺いますと、常に本を読み、辞書を読み、思いついたら書いているとのこと。良く「才能のある人は初めから違う」といいますが、それを地に行っていました。
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怖いくらいでしたね
私は、この子は小説家になるために生まれてきたので、文字だけでなく、実体験と、早い段階で作品を発表する場を用意した方がいいと、素直に伝えました。
それからもう1つ、三河ごーすと先生の回し者ではありませんが、「義妹生活」と「義妹生活 another days」の両方を読むのは、小説執筆の準備の仕方、書き方の生きたテキストになるのではないかと思いました。
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もちろん、吸収出来るのは才能のある人であって、凡人の私には無理ですけれどもね(笑)
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今日は、「三河ごーすと先生の「義妹生活 another days」を読みました」と題してのお話です。
後半の「グッド・バイ」読売栞の外伝小説の部分は楽しく読まさせていただきましたが、それよりも前半の三河ごーすと先生のアニメ版「義妹生活」の感想がとても興味をそそられました。
写実的な舞台描写と対比してゆらぎのある人物描写をどのように準備していたのか解説されていました。原作版「義妹生活」と「義妹生活 another days」を交互に読むことをおすすめします。
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物書きの考え方、視点を垣間見せていただきました
とても楽しい本でしたね
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