パンフレットでは、八丈島は青い海も緑の山のイメージですね。
1年を通せば、確かに、そういう日もあるのですが、住んでいる人からしますと、曇りや雨のイメージが多いです(笑)
実際、八丈島の年間平均降水量は、3,300 mmと日本の観測地点でもトップクラスの雨ばっかりの土地です。
私は、山側の中腹でガイドをしています。
ですので、事故に遭遇する機会はとても少ないのです。でも、この世の中には絶対はありません。
そんなとき、八丈島エコツアーガイド協会で、催しがありました。
今日は、「八丈島エコツアーガイド協会の安全管理技術勉強会に参加してきました」と題してのお話です。
登山ガイド経験の豊富な講師
私が参加した日は、私が一人。講師は、登山ガイド経験の豊富な、八丈島の山小屋さんと晴花日さんのガイドさんたちでした。
お話は遭難から始まりました。ネットや本などで紹介されている有名なケース、ガイドさんたちが直接遭遇した滑落や骨折の現場、そして、事故寸前の具体的な事例が紹介されました。
その中には、八丈富士で実際に起きたケースも紹介されました。八丈富士は標高854 mと低い山ですが、強風、それにともなう低温の危険性が原因で、滑落や動けなくなった生々しいケースも紹介されました。
八丈富士登山をする人に向けて
まず、登山届の提出です。
一時は、八丈富士を検索していますと、軽装のスカートのお姉さんが頂上まで登られそうな印象の写真や記事が溢れていました。
でも、実際の八丈富士の登山は違います
最近は、事故の防止の為、そのような情報が減りつつあるようです。八丈富士登山は、どのようなものかといいますと、永遠に続く石の階段です。
もう、ひたすら登りです
ですので、体力、靴、適切な装備が必要です。
体力
八丈富士は、登ったら帰ってこなければなりません。
八丈島には石の階段がありますね。これが曲者で、登っているときに、知らないうちに脚の能力を奪っていきます。
「膝が笑う」というのを聞いたことがあるとでしょうか?そのような現象が起きて帰ることができないというケースもあるそうです。
ですので、登山ですので、相応の体力が必要になります。
靴
足をくじいたら、帰ることは出来ませんね。ですので、それを防ぐ靴(軽登山靴以上)が必要です。
装備
八丈島は太平洋に浮かぶ小さな島です。風が吹きますと、遮るものがありませんので、八丈富士に強風が直撃します。
そのため、天候がとても変わりやすいです。
暑ければ熱中症や脱水症状が起きます。それを防ぐための水分。
雨が降ればレインウェア。
濡れてしまうと低体温症になりますので、それを防ぐためのアンダーウェア、ミッドウェア。
何かあったら身を守れる服装や装備が必要になります。
ガイドの装備
今回は2人のガイドさんたちが講師でした。さらに、必要なものも教えていただきました。
すべて当然のものですが、実物を見たり、言葉として聞きますと、ガイド側の装備の大切さを身にしみました。
ガイドが知っておくべき知識
ガイドが持っておくべき装備
- ファーストエイドキット
- 笛
- ヘルメット
- ザイル
- ハーネス
- カラビナ
- ロープワーク
これらは、本格的に登山をする人には当たり前ですね。八丈富士に登る人は、ファーストエイドキットは必要ですね。それ以外は、遭難寸前の人に対応する場合に使います。
勉強会は30分の予定でしたが、2時間も色々と解説していただきました。私は兼業のガイドですが、事故のケースの情報共有はとても参考になりました。
講師さん、ありがとうございました
ゴールデンウィークに突入し、八丈島にはたくさんのお客様が来島しています。八丈富士、三原山とも安全に登山してくださいね。
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