私はヘゴの森ツアーのガイドと予約管理を担当しています。人気のツアーで、毎日、たくさんの予約希望メールが届きます。
先着順で予約を埋めています。ところが、タッチの差で予約が取れなかったお客様もたくさんいらっしゃいます。
予約を取るためには、前もって旅のスケジュールを決め、飛行機あるいは船を予約し、宿泊施設を予約し、そして、ヘゴの森の予約と、お客様はやることはたくさんあります。
その過程は理解していますので、基本的にはヘゴの森ツアーは雨でも開催しています。
ところが、最近は、雨でも開催とはいかなくなりました。
今日は、「ヘゴの森ツアーの可否決定の難しさ」と題してのお話です。
八丈島は、同じ東京でも非日常を体験出来ます
東京モノレールを乗りますと、こんな風景が見られます。


都心に住む方々にとっては日常的な風景ですね
そして、八丈島ではこんな風景が見られます。

都心に住む方々にとっては、非日常的な風景でしょう。

これこれ、パンフレットで見られるやつ

南の島って感じですよね!
このように、みなさまは、非日常を求めて八丈島にいらっしゃいます。

本当の八丈島は雨が多い島です
パンフレットでは青空ばかりの八丈島ですが、実は雨が多い島です。
今日は八丈島では普通レベルの雨でした。でも、「雨」という言葉は一つでも、八丈島では色々な角度から見ないといけません。
2022年11月の気象データを振り返りますと、「雨」と一言では片付けられません。
11月は大雨が降った日が4日ありました。そして、昨日の降水量は88.5 mm。
今日の雨と昨日の雨を合わせると、降水量の多さが分かります。
写真では見たままを表現出来ませんが、空堀な場所は水で満たされ、親水公園の池は溢れていました。


そして、その雨量の多さは登龍道路の通行止めに繋がりました。

登龍道路の通行止めは解除になりました。
昼間もかなり雨が降っており、八丈小島はうっすらと見えるくらいでした。

ヘゴの森ツアーの中止はギリギリまで悩みました
実は、今日は、ヘゴの森ツアーが入っていました。お客様は1ヶ月前に予約され、楽しみにされていました。
決定直前、雨は小康状態でした。この瞬間の天気だけを材料とすれば、ツアーが出来ると判断しても間違いないように思えました。
でも、ヘゴの森は、10月末からの大雨の被害から回復途中でした。そして、ツアーの様子の写真では公開していませんでしたが、11月18日時点でも足元が今でもぬかるんでいました。
加えて、散策路の法面が崩れる兆候もありました。


本来、ガイドはお客様の楽しみをサポートする仕事です。忘れられない旅の思い出になれば、なお良いです。
しかし、事故が起きる可能性を肌で感じるのであれば、そのマイナスの可能性を断ち切るのもガイドの仕事です。
今日の雨は、八丈島では普通でも、総合しますと、ヘゴの森では安全と言い切れない状況でした。
お客様は1ヶ月間も楽しみにされていましたが、ツアーの中止の判断をせざるを得ませんでした。

ツアー中止決定後、雨脚が強くなりました。今日の雨だけでは判断しにくい状況でしたが、昨日からの雨の影響もあり、登龍道路は通行止めとなりました。

事故回避を最優先にしました
お客様のご希望にはそえませんでしたが、判断は正しかったみたいです
八丈島は小雨程度でしたら、色々楽しめます。ただ、雨の降りすぎには注意しなくてはいけません。

八丈島旅行をする際は、安全のため、ぜひ、気象庁で前日までの降水量も調べて下さいね